少し昔になるが、車で天文台に向かう途中の市内で、突然「むく鳥」の集団に出会った。何百羽か何千羽か知らないが、突然あたりが暗くなるほどの大群であった。鳥たちは平らになったり、縦長になったり、球形になったり、あるいは、瞬間方向を直角に変えたりして、さまざま ...
和田信賢氏のこと
主に戦前、NHKで活躍した名アナウンサー「和田信賢」氏について、知る人は少なくなったと思う。ニュースキャスターとして、あるいは数々の娯楽番組の司会で、独特の名調子を発揮し「先に和田なし、後に和田なし」との賞賛の言葉を浴びた。 しかし終戦後初のヘルシンキ ...
好天の日々
今年は、11月から暮れの12月にかけて好天の日が多く続いた。まれに浮雲が発生しても、すぐに青空に溶け込んで消えていくという状況であった。芸西の天文台でも連日のごとく観測会が開催され、県外からも参加者があるという盛況ぶりであった。 芸西の60センチが老朽化し交 ...
冬の落日
冬は大気が澄んで景色が澄明である。思わぬ落日の絶景に遭遇することがある。鏡川の橋をわたっているとき美しい落日を見た。ここは太平洋戦の終結寸前に、B-29の爆撃から逃れた河原だった。沢山の市民が火災からのがれてこの川に集結した。川も焼夷弾の油脂で一面に燃えて ...
晩秋初冬の景
美しかった紅葉の時期は過ぎ,銀杏の葉の美しい晩秋初冬の季節となった。この時期は空気も空も澄んで、最も好きな季節である。読書するにもいいし、じっとして物思いにふけるのもよい。20歳〜30歳のころには、いかにして新しい天体(彗星)を発見するかについて考えた。ほか ...
月と金星
日が暮れかけて、ふと夕空を見ると細い月と金星が接近しているのが見えた。都会に比べて、光害の少ない高知市では、まだこのような情景が残っているのを嬉しく思う。高知市の自宅屋上で彗星の捜索をやっていたころには、このような情景に何度も遭遇した。15cmの自作の反射 ...
☆地球33番地☆
高知市には東経も北緯もすべてが「3」の数字で表される珍しい場所がある。有名なはりまや橋から東に300mくらい離れた「江の口川」の中で、それを記念するメモリアルが建っている。 東経、133度33分33.3秒 北緯、33度33分33.3秒 である。 その土地の緯度は、天頂にある ...
天狗高原の星
昨年に引き続き、今年も高知県東津野村の「天狗高原」にやってきた。天文講演と観測会のためである。昨年は素晴らしいお天気にめぐまれたが、今年は曇天で夜の観測会では、星は全くみられなかった。 今話題の「紫金山-アトラス彗星」にも注目したが、空の雲は厚く一瞥すら ...