昭和10年(1935年)ごろだったと思う。中国大陸の、盧溝橋に端を発した日中戦争は「支那事変」と称して、いつ果てるともなく大陸に拡大し続けていた。当時まだ小学校にも上がっていなかった幼少の私は、突然の夜中のサイレンの音で目が覚めた。 「つとむ起きろ火事だ」と ...

 もうかれこれ20年くらいになるだろうか。芸西天文台で星座を観察していたら、南天に浮かぶ奇妙な天体を目撃した。その天体は僅かに西に向かって飛翔しているようであったが、それはまるで首の長い「鶴」が飛んでいるような姿であった。これは、大気圏内の現象なのかあるい ...

 高知県の芸西村の海岸には、空に向かって手を振っている「おりょう」姉妹の銅像が立っている。 これはすでに小惑星になって夜空を飛翔している「竜馬」に合図を送っている姿にも見える大変珍しい銅像である。1836年の1月3日、坂本龍馬が高知市の上町に生まれたとき、たま ...

 1975年8月15日、白鳥座の1等星「デネブ」のそばに突然新星が輝いた。光度は1等から0等の明るさ。輝星が二つ並んで輝く姿は何とも異常で、すぐ新星の出現と判断した。新星の独立発見である。 この日津野町の天狗高原(標高1400m)に天体観測のために出張していた私は新 ...

 クラシックギター曲に、ホセ・ブロカ作曲の「一輪の花」という佳曲があった。まだ彗星を発見していないころ高知県大豊町の「梶ケ森」という高山に登った時、水場に咲いたたった一輪の黄色い花を発見した。その孤独性と美しさに心を打たれた私は、もし彗星を発見したら、も ...

 3月30日、まさに四国地方で桜の満開の日、愛媛県との県境に近い「引地橋」に一家で出かけました。冬は大変寒い標高の高い場所で、さくらは満開一歩手前でしたが、まさに満開の桃の花と、さくらが同時に眺められるという絶景に接することができました。 それにしても日曜日 ...

 少し昔になるが、車で天文台に向かう途中の市内で、突然「むく鳥」の集団に出会った。何百羽か何千羽か知らないが、突然あたりが暗くなるほどの大群であった。鳥たちは平らになったり、縦長になったり、球形になったり、あるいは、瞬間方向を直角に変えたりして、さまざま ...

 主に戦前、NHKで活躍した名アナウンサー「和田信賢」氏について、知る人は少なくなったと思う。ニュースキャスターとして、あるいは数々の娯楽番組の司会で、独特の名調子を発揮し「先に和田なし、後に和田なし」との賞賛の言葉を浴びた。 しかし終戦後初のヘルシンキ ...

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