1961年10月11日、朝方のしし座に発見した彗星らしい天体は、直ちに東京天文台に打電した。天文台からはその日のうちに全国の有力な天文台や、研究機関に彗星発見が報じられた。 倉敷天文台の本田実氏は、口径8cmの写真レンズで、これを二日間にわたって撮影した。ところが ...
あの頃の自分のこと(1)
その朝、彗星らしき天体を発見して5時間後、私は再び中庭の観測台に立った。そして、手製のコメットシーカーと共に写真を撮った。しか私の心の中は動揺していた。イソゲナ天体望遠鏡に新天体らしい光芒が影を落としたのだ。世界中には、大小様々な望遠鏡が、新しい天体を求 ...
白い花の咲くころ
早春のシンボル、梅の花です。 私の良く通る鏡川沿いの散歩道ですが、四季それぞれの花に出逢えます。特に早春のころには白い梅の花が美しい。 ♪白い花が咲いてた ふるさとの遠い夢の日、、、♯ 終戦直後のまだ世間が暗澹としていたころ、ラジオ歌謡で岡本 ...
芸西天文台の夕日
去る2月18日は芸西天文台の一般公開日でした。 今は、これと言う珍しい天体の出現はありませんが、日本のロケットが月面に着陸する関係もあって特に着陸地点の「海」を口径70センチの反射望遠鏡に400xかけて眺めました。最高の倍率です。あいにく雲が盛んに流れていました ...
ハレー彗星遠日点に潜む
周期76年のハレー彗星が、今太陽から最も遠い「遠日点」に潜んでいます。これから、再び太陽に近い近日点に向かって旅を始めようとするところです。 思えば、私が中学生の時、天文学に興味をもちはじめたころ、ハレー彗星は遠日点の近くにいました。今また遠日点にいると ...
彗星発見の妙技
世界の大型望遠鏡の活躍によって、多くの太陽系の天体が、まだ微光星のころに遠くで発見される。そして地球に接近して眼視で見え出すころには、すでに発見が確定しており手遅れである。このような状態が続いており、従来の眼視的ハンターは、なかば諦めていると言う状態が ...
冬の晴れた日の回想
南国高知では、冬は長い晴天が続きます。空は限りなく澄んでホウキ星がやってきそうな気配です。1962年の立春の日に発見した彗星も、ちょうど今日の様な美しい空でした。格別「発見しよう」という意識は無く、コメットシーカーと共に自然と美しい星空に引きずり込まれまし ...
魂の発見
寒空に真昼の満月がぽっかりと浮かびました。冬は特に大気の透明度が高いので、月はもちろん昼間でも明るい星が見えることがあります。 いま、刻々と地球に接近してくる「紫金山・アトラス彗星」は、きっと天地がひっくり返るほどの騒ぎを起こすことでしょう。久々の大彗 ...