21P(Giacobini-Zinner)は、1900年にニースで発見された6年半の周期をもつ彗星です。今、明け方の白鳥座の中に見えており、芸西では70cmの望遠鏡を向けてみました。

 写真は70cm反射望遠鏡の司令塔であるパソコンの画面です。紅い大きな円は、ガス星雲を示す模様で、画像の左上の方に見える、ライフルの照準の様に見える模様が、望遠鏡の位置を示すもので、「21P」のマークを正確に狙っています。この位置をクリックすれば、望遠鏡はそこに移動して行き、そして彗星のモーションを追跡し始めます。あとは撮影のタイムを設定すれば良く、1~3分の短時間露出で70cmの限界近くまで撮影することが出来ます。

 この彗星は1933年頃、地球の軌道と交差し、ヨーロッパで沢山の流星の雨を降らせました。その後も短時間ですが流星雨が目撃され、今から30年ほど昔になるでしょうか、東洋でも出現が期待され、日本からロシアのバイカル湖のほとりまで出張して観測が試みられましたが、空振りに終わりました。

 最近の芸西天文台での観測では、急速に明るくなってきていることが判明しました。今年の9月に近日点を通りますが、その頃には双眼鏡的な明るさになって、我々を楽しませてくれるでしょう。最近は特に明るい彗星がないのですが、雄大な尾を引く彗星の出現に期待したいものです。
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 (↓画面真ん中、やや下寄りの少し尾を引いている天体が彗星)
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