昭和20年12月、高知市の桟橋通りに落ちた隕石があることをご存知でしょうか?それは高知県の「天然記念物」として立派に存在しています。終戦の年の1945年12月の夕刻、桟橋に近い小松さんという家に、ガラス窓を突き破って落ちたのです。

 家の中では二人の方が囲碁をやっていました。「パチン!」という音を立てて、小さな石ころが、ガラスに丸い穴をあけて座敷に転がりました。せんだんの実よりも小さな石ころで、もし隕石だとすると、世界最小だそうです。

 日本での隕石研究の最高の権威者「村山定男博士」は、上野の科学博物館で分析し、隕石に見られるニッケルが検出されなかった、として隕石として取り上げませんでした。しかし高知大学の沢村教授は、ニッケルも存在するとして隕石として認めました。

 隕石の落下だとすると、いくつかの疑問があります。隕石は普通物凄い音響と光を伴って落下するものです。当時は人通りの多い、夕刻の桟橋の電車通りで誰も光を見ていません。音響も聞いていません。あまりにも静かな隕石の落下です。
 明治時代に香美郡の在所村に落ちた隕石は、当時の土陽光新聞によると、”夜の空は真昼間の様に明るく輝き、大砲を数発ぶっ放したような大音響が県下に轟いた”とあります。隕石はいつもこのような大変な騒ぎを起こすものです。

(写真は、隕石落下の家の庭に建てられた記念碑)
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