芸西に口径60cmの大型反射望遠鏡が完成して、真っ先に飛び込んできたのはパンサー彗星(1982 Y2)でした。60cm反射望遠鏡を、天の北極点に正しく向けて運転モーターを停めて10分間の静止撮影を行ったところ、たまたまパンサー彗星が北極点にいました。中央の微恒星のほとんど動いていないところが北極点で、北極星は画面の左下の部分に明るく写っています。北極星は真の北極から30分角離れて回っているのです。彗星は北極星の少し右に、やや尾を上に向かって曳いて写っています。

 60cmの反射鏡は、五藤光学の三ケ山さんという人が磨いたそうですが、最高の作品です。見事なピントです。鏡は完璧な放物面です。鏡材は膨張係数がゼロに近いセラミック材を使ったそうですが、この名鏡は、今レバノンの大学に渡っています。かつて芸西の空で多くの小惑星を発見した望遠鏡は、今中東の空で何を見ているのでしょうか。

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