台風20号は被害が心配されていましたが、高知県の東を北上したために、高知市内では殆ど風雨はありませんでした。暑い夏空が再び帰ってきました。写真は自宅二階の書斎から、真南を見た風景ですが、1961年に始まった彗星発見は、この場所からでした。当時は高い建物はなく、高さ3mの観測台から360度、低空まで見えました。

 特に印象に残るのは1962年2月4日の「関・ラインズ彗星」の発見で、南に遠く見えている鷲尾山の少し上空に発見しました。太陽から180度近く離れていました。”アマチュアとして奇跡の発見”と言われましたが、この時の9cmのコメットシーカーは高知市に寄付され、オーテピアの科学館の中に展示されています。アイピースを覗くと「関・ラインズ彗星」が見えるように仕掛けられています。

 9cmの対物レンズは、素人による手磨きでしたが、その後に登場した40cm反射鏡も手磨きでした。これはその後、芸西村の小屋に移され、多くの彗星を観測し、周期彗星4個を検出しました。1980年に五藤の60cmが登場するまで5年ほど活躍し、その間、白鳥座新星(2等)やウエスト大彗星に出逢えたのは幸運でした。そして1986年、向えた大ハレー彗星です。
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