正しくは21P/ジャコビニ・ジンナー彗星と呼びます。目下、暁の東天に高く明るく輝いています。写真は芸西の70cm反射望遠鏡で180秒間露出したもので、頭部は8等級で、悠々の尾を西に流しています。強力な双眼鏡でも見えます。

 記憶が薄れましたが、昔、かなりの流星雨をもたらした彗星で、30年ほど前の接近のとき、日本から何人かの方がロシアのバイカル湖のほとりに、彗星に伴う流星雨を見に行ったことがありますが、見事な空振りに終わりました。”彗星とは気まぐれ者”です。

 彗星の中心部は核と呼んで固体です。核の中から沢山の塵を含んだガスが噴き出し太陽の光圧や、太陽風に寄って吹き流されます。タイプⅠは直線的な蒼いイオンの尾ですが、写真ではタイプⅡと呼ばれるダストの尾が見えています。彗星は、まだしばらく暁の東天に輝き、天文ファンを喜ばしてくれるでしょう。

 昔から外国では、彗星は不幸を運んでくるものとされてきました。大彗星が出現すると決まって戦争が起こったり、地震洪水等の災害が発生したりしました。日本でもそれに倣って、彗星と地震との関係を大いに喧伝した人がいましたが、無論迷信です。
 
 さて次回は彗星に関連して、坂本龍馬の母「幸」と、ハレー彗星との運命的な出逢いについて、述べましょう。

(写真は70cm反射望遠鏡+Nikon D-700、 ISO 1600.露出180秒)

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