秋10月は彗星発見の季節です。
 1956年の10月6日、周期27年のクロムメリン彗星を発見した時、観測所のそばに乱れ咲いていたコスモスの赤い花びらを、オーバーコートの胸のポケットにさして観測しました。

 そして1965年10月21日、”イケヤ・セキ彗星”が太陽に突入した日にも、観測台の片隅に赤いコスモスが咲いていました。100万度の太陽コロナの中を彗星が無事するのか? 私は祈るような気持ちで赤いコスモスの花を持って九天を見つめていました。

 ほとんどが氷でできているといわれる彗星が、超高温のコロナの中を通り抜けて輝いたのは奇跡でした。彗星が生きていたことによって、その後の私の人生も変わったのです。今日、鏡川畔を歩いたとき、赤い花びらを見て青空を仰ぎ、当時の事を思い出していました。

IMG_0633


にほんブログ村 科学ブログ 天文学・天体観測・宇宙科学へ
にほんブログ村