冬の夜空はオリオン星座の天下です。オリオン星座はガス星雲に包まれた星座で、有名なM42は沢山の生まれたばかりの恒星を抱えていると言われています。今日紹介するのは黒い暗黒星雲の一種で、赤いガス星雲の中に、まるで馬の首のような奇怪な影を落としています。これはオリオンの有名な「三ツ星」の近くにあります。

 この暗黒星雲を最初に見つけたのは、天体写真が発達し始めた19世紀の終り頃のバーナードではないかと思います。100年ほど前に彼が出版した天体写真集の中に写し込まれています。バーナードはオリオン星座全体を丸く包むような”バーナードループ”も写真で発見しました。

 アメリカのバーナード博士は、天体写真の開拓者でした。その頃は感度の高いフィルムはなくガラス乾板でした。感度は今のISOに換算して20以下。普通の眼視的な星団星雲を写すのに一晩かけました。中にはその翌日に露出の延長をやって、目では見えない天体をモノにしました。日本の山崎正光氏(高知県出身)は、バーナードの指導を受けて天体写真を撮り、見事な何枚かの写真を見せていただきました。

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