オリオン星座は冬を代表する夜空の王者で”三ツ星”と、その南北に配置される一等性「リゲル」と「ベテルギウス」とは対照的な青と赤の美しい構図です。私が最初に覚えた星座は”三ツ星”で1938年頃のことでした。毎年冬が訪れるとオリオンを見るのが何より楽しみで、星に憧れた幼いころを思い出します。それは大戦前の事でした。

 三ツ星の北に位置する一等星のベテルギウスは妖艶なまでに赤い色をしています。年取った恒星です。膨らむまで膨らんで、ついにはドカーンと爆発して一生を終えます。そして星の残骸のみが残ります。夜空はあたかも満月に照らされた如く明るくなって、夜の無い日が幾日も続くかもしれません。

 天文学でいう「間もなく」とは10年先か100年先かわかりませんが、いずれオリオン星座からベテルギウスが消えることは事実の様です。芸西村の天文台に行った日、そう思って70cm鏡でベテルギウスを撮影してみました。30秒の露出で撮影しながらじっと15cmのファインダーで見つめていましたら、赤い星がだんだん膨らんで赤鬼のように恐ろしい姿に見えてきました。

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