大犬座のシリウスは全天一の巨光です。春が近くなった東南の空から登ってきて、冬の荒い大気にゆさぶられて激しく明滅する姿は、あたかも大犬が吠えている姿にみえます。そして頭上には狩人のオリオン。
 
 昔から芸西の天文台付近には、夏はめったに姿の見えない蛍が、冬になると地面の低いところで盛んに明滅している姿が見られたものです。専門家によると、これは飛べない蛍の幼虫で、飛ばないまま冬を越すそうです。明りに敏感で、懐中電灯で照らすと、まるでそれと呼応するかのように一斉に光り始めます。

 ある日、観測を終えて駐車場までの草の細道を降りていると、一匹の蛍が、草の影で盛んに明滅をしています。ふと南の低い空を見ると、シリウスの青い巨光がこれも盛んにまたたいています。道端の蛍の幼虫は、この星の光を見て盛んに信号を送っているのだと思っておかしくなりました。お互いに明るさ、青さを競っているようです。

 ああシリウスに蛍の光。この面白い組み合わせも、春がやってくればおしまいです。

(写真は芸西の70cm反射望遠鏡でとらえたシリウスの巨光。2019.02.20日)
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