春になって雨が多くなりました。久しぶりに晴れた日、芸西村の天文台に行きました。話題の明るい「岩本彗星」は、西にどんどんと移動して、低くなっていました。しかしグリーンのコマは依然大きく拡散して、美しい色彩を保っていました。

 久しぶりの星空ですから、夜半以後も観測を続けました。さて何を観測しようかな?と、思って、70cm望遠鏡のモニター画面を見つめていると、そこに小惑星の存在を示す「Yuuka」という星のマークがありました。そうです! 一昨年私が命名した「清水優花」の星(21282)です。ところが驚いたことに小惑星第一号の「ケレス」とランデブーして仲良く宇宙を飛翔しています。すぐそばには巨大の木星君もくっついています。優花はまだ9歳。頼もしい限りです。

 ケレスは火星と木星の間に存在する第一号の小惑星です。太陽系の中で、火星と木星との間が大きな空間となっているので、昔から天文学者は、この空間に何か未知の惑星が在るはずだと思って熱心に探していました。その結果1800年代の1月1日、遂にシシリア島で発見されました。その後も次々と新しい小惑星が見つかるようになったのですが、ケレスはとても大きな星で、今は準惑星と呼ばれています。いま話題の”竜宮”とは、問題になりません。衝(太陽を脊にして丁度正反対側)になった時には、双眼鏡でも見える明るさです。優花の星も、あと3ヵ月程すれば衝に来て、明るくなるでしょう。

(モニター画面に並んだケレスとユウカの小惑星。白い小さな矢印が優花)

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