それは夢か現実か? こんな出来事もあったのです。
時は今から13年前の2004年4月12日の20時30分。場所は桜の花も散った芸西天文台で、私は彗星の捜索を行っていました。西の空にやや雲があったものの、天頂から東は画然として綺麗に晴れ上がっていました。

ひと仕事をしてコメットシーカーから眼を放し、ふと天頂を見ると、突然明るい
彗星様の白い物体が東に向かって移動して行きます。明るさは2等級、視直径は月よりやや小さい20′位で完全な彗星状でした。
私は驚いて暫く肉眼で見ていましたが、かなりのスピードで東南東に移動し、約2分後にカメラを向けた時には東の地平線に近くなってモーションは極端に遅くなっていました。
(これは一体何者?)私は、恐らく地球に大接近した未知の彗星だろうと考えました。地球のすぐ外側を順行して追い越していったのです。あまりにも咄嗟の出来事で彗星の観測者として一番大事な位置の測定ができなかったのです。
全く瞬間の出来事で四国地方では、他に目撃者がありませんでした。

ところが数日後に北関東で目撃者が現れました。Aさんです。彼は西南の大犬
座のあたりに白い光体が東に移動して行くのを目撃したといいます。二か所の離れた位置で観測されました。これで地球圏外の天体であることがはっきりしました。なぜなら、もし流星なら大気圏内の現象ですから、関東地方では南に低くて見えなかったはずです。恐らく人工衛星より高い位置を飛んだために北でも見え、パララックスの関係で芸西では天頂に見えたものが、関東地方では西南の低い位置で目撃されたわけです。

ところがこのような事件が過去、内外で2件起こっていることが判明しました。

謎の天体への疑惑は、日と共に月と共に深まるばかりです。

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