1966年に発行した「未知の星をもとめて」の冒頭に取り上げた彗星がこのSeki-Lines彗星です。
アメリカ、アリゾナ州の砂漠の中と、高知市の屋
根の上での争奪合戦でした。
発見した場所は、真夜中のマイナス38度と言う南の超低空で、とも座の中。神田氏や冨田氏、それに長谷川氏等から「アマチュアらしくない発見で、、、、」という事でその動機を聞かれました。
コメットハンターは、大体太陽の出没
する東西の低空を狙うものです。
その頃の私は、特殊な超広角の屈折鏡を使って全天を対象に捜索をおこなっていたのです。
アメリカと日本の二人が、よりにもよってそんな低い同じ
場所を見ていたというのも奇跡ですね。
彗星は1962年4月1日(U.T)に、太陽に0.03天文単位と接近したために大彗星となりました。

写真は、4月下旬アメリカ・フラグスタフの海軍天文台
のE.リーマー女子が、口径1m(F6.3)の反射望遠鏡で20分間露出したもので、コダック社が開発した天体用の103a-o乾板を使用したため、彗星のダストの中を流れるイオンの尾(タイプⅠ)が見事に無数の筋となって映し出されました。

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