夏はお化けや幽霊のでる季節です。
天界でも同じで、明るい恒星や惑星のそばにはゴーストと呼ばれる星の幽霊が見えることがあります。今まで”明の明星”や明るい恒星のそばに、彗星そっくりのイメージを見て、たくさんの方が「彗星発見!」という事で、天文台に打電しました。

 あの大ベテランの本田実氏さえ、初期のころ、鳥取県の自宅の天文台で夕方の金星のそばに、明るい彗星様の天体を発見して、京都大学の花山天文台に報告しました。本田さんは、その後1937年に広島県の「黄道光観測所」に移り、多くの彗星を発見して、戦後の日本の天文界のために気を吐きました。1950年には岡山県の倉敷天文台に入り、一般の天文教育にも尽されました。

 しかし、なんといっても美しいのは故郷の空。鳥取県の実家の観測所には立派なコメットシーカーを入れて、帰郷するたびに観測に従事していたようです。古い屋根は近代的なドームとなり人目を惹きました。最初は手作りの10cm反射でしたが、最近はフジノンの15cm双眼望遠鏡が入っていました。

 今回は星の幽霊のお話でしたが、そのうちに天界を離れて、本物の幽霊に出遭ったお話でもいたしましょう。夏はヤハリ怪談がいいですね。

(写真は鳥取県の本田氏の天文ドーム。多賀利寛氏提供、2017年頃)
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