先にお話した「スイフト・タットル彗星」は100年を優に超す長い周期を持っていますが、ここに登場する「ポン・ガンバート彗星」もこれと似た長周期の彗星です。フランスのコメットハンターのポンは1827年の6月20日に、カシオペア座に5〜6等級の明るい彗星を発見しました。続いてガンバ—トも、少し遅れてこれを発見し”ポン・ガンバート彗星C/1827M1"と命名されました。
軌道計算は東京天文台の小倉伸吉理学士が、当時の一ヶ月間の観測から40〜60年の周期の軌道を計算しました。ところがOAAでは、これをハレー彗星と同等の逆行の大彗星の如く受け止めた方がいました。比較的条件の良い時の観測で、5〜6等ですから到底肉眼彗星とは言えません。軌道の方も1ヶ月間の少ない観測から得たもので、周期には相当な誤差があったわけです。
OAAで軌道計算を担当していたH氏は、この軌道要素を基に、過去に遡って幾つかの肉眼彗星と同定(同じ天体であることを認める)し、私個人も連絡を受けました。しかし私は少なからぬ疑問を抱きました。それは望遠鏡が発明されていない時代の明るい彗星が混じっていたからです。ガリレオ以前の、望遠鏡を持たない時代の人が、これを肉眼で発見するというわけにはいかないのです。これはどこまでも望遠鏡的な小彗星です。大彗星と勘違いしていた安易な発想と言わざるをえません。
2013年になって、遅ればせながら一つの彗星が発見されました。軌道計算の結果、それがなんとポン等の発見から186年たった「ポン・ガンバート彗星」だったのです。外国にまで報告されていた過去の同定は音を立てて崩れました。
この事実について、同定したご本人に問い合わせましたが、なんの説明もありませんでした。
(写真は2013.03.07、芸西の70cm反射望遠鏡で撮影した273P ポン/ガンバ—ト彗星の光跡)


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軌道計算は東京天文台の小倉伸吉理学士が、当時の一ヶ月間の観測から40〜60年の周期の軌道を計算しました。ところがOAAでは、これをハレー彗星と同等の逆行の大彗星の如く受け止めた方がいました。比較的条件の良い時の観測で、5〜6等ですから到底肉眼彗星とは言えません。軌道の方も1ヶ月間の少ない観測から得たもので、周期には相当な誤差があったわけです。
OAAで軌道計算を担当していたH氏は、この軌道要素を基に、過去に遡って幾つかの肉眼彗星と同定(同じ天体であることを認める)し、私個人も連絡を受けました。しかし私は少なからぬ疑問を抱きました。それは望遠鏡が発明されていない時代の明るい彗星が混じっていたからです。ガリレオ以前の、望遠鏡を持たない時代の人が、これを肉眼で発見するというわけにはいかないのです。これはどこまでも望遠鏡的な小彗星です。大彗星と勘違いしていた安易な発想と言わざるをえません。
2013年になって、遅ればせながら一つの彗星が発見されました。軌道計算の結果、それがなんとポン等の発見から186年たった「ポン・ガンバート彗星」だったのです。外国にまで報告されていた過去の同定は音を立てて崩れました。
この事実について、同定したご本人に問い合わせましたが、なんの説明もありませんでした。
(写真は2013.03.07、芸西の70cm反射望遠鏡で撮影した273P ポン/ガンバ—ト彗星の光跡)


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