ヘール・ボップ彗星はアメリカのヘールさんとボップさんによって独立して発見された明るい彗星です。私の住む高知市の上町の繁華な空でも、堂々と輝いて街の話題になりました。
芸西天文台でも、無論多くの観測を行いましたが、60cmの反射鏡では、彗星全体像を捉えることが難しく、視野の広い普通の35㎜カメラを向ける機会が多くありました。

写真は1997年3月18日、300mmF4.5の望遠レンズで捉えた同彗星で、赤っぽいダストの尾と、青いイオンの尾が完全に二つに分かれて美しい対照となりました。
赤い太い尾(タイプⅡ)はチリの尾で、太陽の光圧によって吹き飛ばされますが、太陽の引力によって引き戻されようとして、太い曲がった尾となります。彗星の尾の理論は恒星社が発行した広瀬秀雄/関勉、共著の「彗星とその観測」にありますが、新本では入手できません。
一方、ガスの尾(タイプⅠ)は軽いので、太陽風によってまっすぐに伸びます。
これくらい二つの性格の違う尾を輝かせながら、長い事宇宙を飛翔した彗星は珍しいです。

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