2017年05月

芸西天文台の旧60cm反射鏡はこの研磨室で製造されました。スタッフは向って右から五藤斎三、関勉、吉田正太郎(東北大学)、三ケ山吉弘で、最終的には反射鏡研磨の第一人者、木辺成麿氏も加わってテストしました。黒いセラミック材を使ってできた60cmは最高の出来と ...

それは1945年の終戦後初めてやってきた冬の夜の事でした。母が「知り合いの家に行きたいが物騒なので一緒にいってほしい」と私に言いました。まだ中学生だった私は母と寄り添って2kmくらい離れた知り合いの家に歩いて行きました。戦時中からの大変な貧困と食糧難。8月15 ...

美しい尾を曳いた彗星は”暁の女神”に例えられました。1975年に白鳥座に明るい新星が突如出現したのですが、その翌年の3月には今度は見事な尾を曳いた肉眼彗星が現れて、世界中の人を驚かせました。その頃出来たばかりの芸西の観測小屋で待機していた私はおどろきました。3 ...

宇宙にはこんな現象もあるのです。時は1975年8月、白鳥座に突如として一等級の新星が現れました。その頃、高知県の梼原町の高原に居た私はこれを目撃しました。有名な「夏の大三角」の形が新星の出現によって大きく変わっていたので気が付いたのです。急遽家に帰ると、ひっき ...

それは夢か現実か? こんな出来事もあったのです。時は今から13年前の2004年4月12日の20時30分。場所は桜の花も散った芸西天文台で、私は彗星の捜索を行っていました。西の空にやや雲があったものの、天頂から東は画然として綺麗に晴れ上がっていました。ひと仕事をしてコメ ...

ハワイ大学の天文台のあるハレアカラ火山で見た「池谷・関彗星」です。太陽表面に30万キロも近づくという事で、果たして無事生き延びるか?あるいは消滅するのか、学者の中でも意見が完全に二つに分かれていました。実際の大接近は1965年10月21日の正午(日本時間)に起こり ...

1969年12月、南で発見された「ベネット彗星」は、翌1970年3月20日に近日点を通過して北上してきました。そのころ自宅の”物干し天文台”で観測していた私は、朝早く起きて天文台に上がってびっくりしました。東の空に高く彗星が輝き、太陽が昇ってもなお頭上に尾を曳いて煌々 ...

仙台市の青葉区に住むMさんは大の猫好きでした。彼女は8年ほど前、迷い猫を救って自宅で大事に育てていました。そんな時、新しく発見されたTrittonという彗星の名を取って「トリットン」と呼ぶようになりました。トリットン彗星は、6年半の周期彗星で昨2016年の6月に帰ってき ...

1980年、東京の五藤斎三氏によって寄贈された芸西天文台の60cmニュートン式反射望遠鏡は、今から10年ほど前にその任務を終えて引退しました。東京・府中市の五藤光学では社長の出身地の高知県で天文教育に役立てようと、多くの学者やこの道の専門家、そして主な使い手の私 ...

タットル・ジャコビニ・クレサク彗星は1858年にアメリカのケンブリッジで初めて発見された周期5年半の彗星ですが、1973年の6月に近日点に接近中、突然大爆発を起こして肉眼で見えるようになりました。その頃の予報が13-14等でしたから、いかに増光が大規模だったかがわかり ...

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