1937年、高知市に近代的な天文台が完成した。二階建てのビルで、屋上に5メートルドームを備えていた。1937年と言えば日中戦争の勃発した年で、世界情勢が風雲急を告げる中、高知市の大原町では、土讃線の全通を記念して大規模な”南国大博覧会”が開催された。 当時国内で ...
2018年01月
幽遠なる銀河
ここでいう「銀河」というのは系外星雲のことである。彗星の捜索を行っていると、沢山の銀河に出あう。一見して素人には彗星との見分けがつかない。彗星も星雲も朦朧として同じに見える。 フランスのメシエは、これらを彗星と区別するためにカタログを作った。これが所謂 ...
観測は寒さとの戦い
激寒の日がつづいています。如何に寒くとも観測は休むわけにはいかず天文台に通っています。高知市ではマイナス4度を記録したようですが、私が観測を始めたばかりの1950年代は物凄く寒い日がつづきました。氷点下7度の中で観測しました。夕方から早くも水道が凍っていまし ...
冬の街路樹
鏡川畔の散歩道で見かける樹木である。すっかり葉を落として、トゲのような鋭い枝が天に向かってそそり立っている姿は、力強い。これは観測に例えるなら、彗星発見の精神であり情熱である。幾年か、幾十年か、あらゆる苦難に忍耐し、強い精神力を持って向って行けば、いつ ...
カノープスを見よう
シリウスに次いで全天で二番目に明るいカノープスを見るチャンスがやってきた。カノープスは、中国では″老人星”と呼ばれ、一度見ると長生きできるという伝説がある。南天の”りゅうこつ座”の一等星で青い。 カノープスを見るのは1月から2月がチャンスである。このころ ...
岡村啓一郎氏の旅立ち
昨年の暮れから今年の年初にかけて、天文関係者の訃報が相次ぎました。中でも芸西天文台の関係者にとって岡村さんのご逝去は大変悲しく惜しいことでした。岡村さんは東亜天文学会の古い会員であり、高知県で最も早く天体観測や天文学の普及活動に従事していました。その温 ...
関製紙工場の怪
今年の戌年に因んで、もう一つ犬の手柄話をしよう。それは確か太平洋戦争も激しくなった昭和19年だった。しかし地方の街はB-29等による爆撃の対象外とされていた。その夜は確か氏神様で夏祭りのあった夜であった。大都会では空襲によって、街が廃墟と化して行く中、地方都 ...
戌年の奇怪な出来事
私の家は大正年代から犬を飼っていました。私は知らないのですが、家が製紙業工場を始め大正年代には黒い「エス」という犬を飼っていました。祖父が外へ出かける時には、その様子から杖をくわえて運んで来たと言っていました。若いころの母が、抱っこしている写真が残って ...
スバルと月の珍しいショー
月が夜空を運行中に恒星や惑星を隠す現象を掩蔽とかオッカルテーションとか言います。随分昔になりますが、私が上町2丁目の自宅の庭で観測をやっていたころ、あの有名な「スバル星団」の中に月がこっとりと這入る珍しい現象が起こりました。夕空です。 その頃私は15cmの ...
謹賀新春
1月3日、はりまや橋の近くの老亭「得月楼」で、清水優花の小惑星への命名披露宴をおこないました。今まで団体ではよくあることですが、個人では初めてで、大阪や仙台から親戚一同が集まって、和やかな雰囲気でした。 本人への命名認定書は、スミソニアンの小惑星命名セ ...