それは1947年、終戦直後の事で、世は正に暗澹とした時代だった。突然夜空に「ホンダ彗星」が輝いた。まだ至るところに戦争の傷跡が残るころで、国際的にも敗戦国家としての屈辱があった。日本はGHQ(占領軍総司令部)の支配下にあって、何事をするにもGHQの監視下に置かれ ...
2018年05月
美しき月は半月の頃
月は満月よりも半月の頃が望遠鏡で見て最も美しい姿です。クレーターが良く見えます。去る5月25日に芸西天文台で観測会があって、目標になったのが月と木星でした。今年の7月に大接近する火星は、22時を過ぎた頃、ようやく東の地平線上にその赤い姿を現します。 この月に ...
ゴースト(幽霊)は本物だった!!
星のゴーストは眼視でも、また写真でも現れて、古今の観測者をな悩ませてきましたが、このゴーストが本物だった、というお話です。 1951年のこと、突然スロヴァキアのスカルナテ・プレソ天文台のクレサク博士が10等級の彗星を発見し、センターから電報で世界に知らされま ...
星のゴースト(幽霊)
低い倍率で彗星を捜索していると、明るい星のそばにゴーストと呼ばれる反射光を見ることがある。その姿がボーッとしてまるで彗星そっくりである。今までどれだけ多くの観測者が、ゴーストにだまされたか知れぬ。 戦前の1938年頃、広島県で観測していた駆け出しの頃の本田 ...
夏の天の川の探索
夏が近づいた梅雨入り前の空ですが、夕方から南に木星が爛々と輝き、そして白い夏の天の川が光の滝の如く東南の空に見えて来ます。この天の川の中の”いて座”を、今”パンスターズ彗星”が南下中で、6月下旬まで日本から見えます。「コメットハンター関勉のホームページ ...
マスターズ水泳大会
高知市の中心を流れる清流「鏡川」で戦前育った水泳選手がいました。その名は「北村久寿男」選手です。昔はプールが無かったために、鏡川の流れの緩やかな下流で練習していたのです。わずか14歳の中学生で、ロスアンゼルスのオリンピック大会に出場して見事1500mの自由形 ...
築屋敷町の散策(2)
静かな築屋敷町を抜けると急に広い河原にでた。川に面して忠霊塔と「フランクチャンピオン」の碑が立っている。良く見ると新しい観光の看板が立っていた。昔、この付近の川にかかっていた沈下橋の説明で、なんでも日本で一番最初に出来た沈下橋であったという。私たちが子 ...
築屋敷町の散策(1)
私の好きな散歩道です。石垣の塀が並んでいることから「築屋敷」と言います。鏡川のほとりにある静かな住宅街です。昔、坂本龍馬が剣術に通っていた道場がこの辺にあったそうで、誰も通らない道を歩いていると、向こうから龍馬が竹刀を持って歩いてきそうな気がします。石 ...
火星観測者「ローエル」の日本紀行
明治時代に火星運河説のローエルが日本に来たことを知って驚いた。当時の乗り物としては汽車や電車もなく、船か人力車である。そして言葉も通じない。そんな不便な日本にやってきて、一体何が目的だったろうと訝しく思う。 ローエルは主に能登半島を旅したという。その紀 ...
火星運河の謎
「火星には謎の運河がある」これを唱え始めたのは、アメリカのローエル天文台の台長ローエル博士で、今からざっと100年くらい前の事です。ローエル天文台はアリゾナ州の砂漠に立つ天文台で、きわめて澄明な大気にめぐまれていました。しかし一方では”運河なんか見えない” ...