2018年06月

 高知市上町の、私の家は古く大正年代の初めごろから存続する。職業は、土佐に古くから伝わる和紙の手漉きである。昔は”通り町”と言って和紙を製造する工場が5軒ほどもあった。和紙は薄くて強靭なため、太平洋戦の末期には「風船爆弾」の材料に使用された。 いま私が住ん ...

 彗星と小惑星の軌道計算に習熟していた村岡氏は、特に周期彗星の回帰の予報に熱心であった。ハレー彗星の76年やエンケ彗星の3年の様に、回帰周期は計算されていても、回帰する度に多少のずれを生ずる。無論多くの惑星の引力の影響(摂動)を加算しても、彗星によっては非重 ...

 はりまや橋に近い高知市の中心街に「村岡カメラ店」があった。 私の行きつけの店であった。当時の天体写真のD.Pはほとんど、ここで処理していた。若い30歳代の夫婦が経営していたが、主人が早く亡くなり、あとは残された奥さんが経営していた。 ある日天体写真の現像を受 ...

 21P(Giacobini-Zinner)は、1900年にニースで発見された6年半の周期をもつ彗星です。今、明け方の白鳥座の中に見えており、芸西では70cmの望遠鏡を向けてみました。 写真は70cm反射望遠鏡の司令塔であるパソコンの画面です。紅い大きな円は、ガス星雲を示す模様で、画像 ...

 太古の昔、紙に書くことのできなかった時代には、何か重大な現象を見たときには石や亀の甲羅に彫り付けた、という。日本より北で見えるはずのない「南十字星」が、中国の黄河流域で観測されて、石に刻まれていたのは有名な話である。それは才差の現象によるものである。と ...

 昔の彗星に関する本には、よく珍しい記事や、スケッチが出ている。故、村岡健治氏は、天文家であると共に本の収集家でもあった。約100年昔に出版されたアメリカのバーナード博士の写真集は、いま世界に30冊ほどしかないといわれている貴重な本で、アメリカの古本屋で発見し ...

ホームス彗星(17P/Holmes)は、1892年に初めて登場して以来、何回か爆発的な増光を繰り返してきました。周期は約7年ですが1993年の回帰の時は、まるで宇宙を泳ぐクラゲのような愛らしい姿で、私たちを楽しませてくれました。 ある時、突然の大爆発がおこりました。まるでシ ...

 台風6号が沖縄付近を北上中ですが、ここ高知市では良く晴れました。石垣島では第48回の彗星会議が開催中ですが、台風の影響もなく無事会議が進行するように祈ります。また今夜は、芸西天文台でも一般公開観測会が開かれています。夕月と金星がほんのりと暮れかかった西空に ...

 第48回目になる「彗星会議」が、6月16日から17日にかけて沖縄の石垣島の石垣市民会館で開催されます。私は残念ながら出席出来ませんが、代わりに芸西天文台で撮影した、今最も明るいパンスターズ彗星(C/2016 M1)の画像をお届けします。 この写真は6月14日の朝1時に70cmの ...

 今回は、珍しい二冊の本について紹介します。二冊とも戦前の発行で非常に人気の高かった本で、今ではまず絶対に入手できないと思います。 左の本は、日本における天体写真のパイオニア、中村要氏が京都大学、花山天文台の助手を務めていたころ、ご自分の経験を生かして書 ...

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