開館から5日目の7月29日に、私は科学館の中のプラネタリウムで、「池谷・関彗星を語る」と題して90分間の講演を行いました。座席は80余りですが、成人が多く、これほどまでに真剣なお客さんの眼差しを感じたことはありませんでした。 天球には1965年9月19日、午前4時15 ...
2018年07月
似せ太陽(幻日)
台風接近で天候の変わりやすいこの時期に「幻日」が見えることがあります。過去、芸西天文台でも二回ほど幻日が見られました。一種の蜃気楼に似た現象でしょうか?異常な大気による屈折で、偽物の太陽が雲に映っています。 写真は過去、私の自宅の屋上から見た西の光景 ...
毛利さんと共に
7月23日、高知県の総合科学館「オーテピア」の開所式に参列しました。従来の高知県では政治やスポーツ等に比べて、科学は遅れがちでしたが、ここに立派な施設が完成し、ようやく他と足並みをそろえようとしています。特にプラネタリウムの完成は、長い間の念願だった故に、 ...
望遠鏡も熱中症
高知県の天文台のある芸西村も、物凄い暑さです。熱中症にかかるのは人間だけではなく、天体望遠鏡までかかりました。芸西天文台の口径70cmの天体望遠鏡がドームの中の、摂氏40度以上の熱気の中で、大事な光路の部品を固定する接着剤が溶けて剥がれ、観測不能となりました ...
暁の大彗星
「イケヤ・セキ彗星」が出現してから10年。再び暁の空に大彗星が現れて多くの人を驚かした。1976年のウエスト大彗星である。前に紹介した高知の”彗星3羽からす”の一人である門田健一氏が出会った最初の大彗星でもあった。 門田氏は、その後埼玉県に移ったが、今では日本を ...
火星から謎の通信
1950年頃だったと思います。ある新聞が”火星から謎の通信”と題して15年ごとに接近する火星の表面に描かれた模様を取り上げたことがあります。その5回の模様を観測した、アメリカのある天文学者はそれを解読して「火星人と地球人は、同じ太陽系の仲間だから、仲良くやって ...
彗星探しの楽しみ
小さなコメットシーカー(彗星捜索望遠鏡)で、宇宙を探索していると色んな珍しい天体に出逢います。普段は絶対に見ることのできない流星を捉えて、その物凄い痕の姿に思わず身震いすることがあります。彗星探しは、見つからないとつまらないものと思っている方が多いと思 ...
パンサー彗星の曲芸
芸西に口径60cmの大型反射望遠鏡が完成して、真っ先に飛び込んできたのはパンサー彗星(1982 Y2)でした。60cm反射望遠鏡を、天の北極点に正しく向けて運転モーターを停めて10分間の静止撮影を行ったところ、たまたまパンサー彗星が北極点にいました。中央の微恒星のほとん ...
「高知隕石」の謎
昭和20年12月、高知市の桟橋通りに落ちた隕石があることをご存知でしょうか?それは高知県の「天然記念物」として立派に存在しています。終戦の年の1945年12月の夕刻、桟橋に近い小松さんという家に、ガラス窓を突き破って落ちたのです。 家の中では二人の方が囲碁をやっ ...
高知の「彗星三羽からす」
「彗星三人組」を結成したのは、たしか初めて人工衛星が打ち上げられた1957年ごろであった。その頃、高知市の上町で観測していた私を中心に、西の土佐市で彗星の捜索に熱心だった池幸一氏。それに人工衛星の観測に特に熱心だった高知市の西山亮氏の三人だった。しかし西山氏 ...