2020年05月

 今は夏になっても滅多に蛍にお目にかかれませんが、天文台のある芸西村の小山の上には、時々高い空を光りながら飛んでいるのを見かけました。ところが山には水場が無い関係か、この10年くらいの間はお目にかかることはありませんでした。 ドームの入り口のすぐそばに暗い ...

関勉の本を発売します。「ホウキ星が呼んでいる」第15回寺田寅彦賞受賞作B6判165ページ 1500円〈送料共〉 発行から日が経ちましたので値下げしました。「未知の星を求めて」から始まる一連の天体発見の本ですが、これが最後の作品となりました。新彗星発見の醍醐味から始ま ...

 今年2020の年の5月には、近日点を通過する二つの彗星があった。その一つは、近年まれな大彗星になるかと期待されていた「アトラス彗星」C/82019 Y4であり、最大満月の明るさになるかと期待されたが、近日点への到達を待たずに儚くも分裂崩壊した。 もう一つのC/2020 F8(SW ...

 暗い物置小屋の中に入って珍しい道具を見ていると、ふと時代が遠い昔に帰ったような気がした。私の足元に横たわっている奇妙な木製の道具を持ち上げてその先端を見ると、レンズの様なものが付いていた。それは丸い昔のメガネの玉らしかった。この時私は「ハッ」とした。( ...

 私が生まれた関家の2階の片隅に、四畳半くらいの物置があった。子供のころから何が入っているだろうと思って大いに興味があったが、父から「お化けが出る」と言われて、滅多に入ることが無かった。そういわれるとますます好奇心が湧いて、成人したある日、秘かに重いドアを ...

 終戦後間もない1948年頃、ヘプバーンの主演した映画に「ローマの休日」という名画があった。その中で、日本製の「エコー」というライターカメラが活躍したが、本物のスパイカメラは、戦前にその目的で作られた「ミノックス」に始まると思う。「ミノックス」カメラはフィル ...

 大正9年に「関製紙工場」の操業の様子を撮影した人物は、伯父の「関琴堂」であった。琴堂は本名を「関光恵」と言って、書家であり、母の兄であった。琴堂は新しいものを取り込むことが好きで、本職の書道のほかにバイオリンやオルガンを弾き、朝顔式のラッパの付いた蓄音 ...

 深夜の製紙工場の中で懐中電灯に照らし出された奇妙な物体。父は突然その箱を壊し始めた。そして中の配線の様なものを引きちぎった。「カッチ、カッチ」という不気味な時計の音の源は、どうやらこのグリーン色をした箱の中にあったようだ。(時限爆弾?)恐ろしい空想が走 ...

 1993年に発刊された、関勉著「宇宙の放浪者」です。 *コメットハンター「関 勉」が語る彗星と人間のドラマ*1961年、「関彗星」の発見に成功してからの星と人生について語る。ブログにも書かなかった、不思議な天体現象と付き合ってきた発見者の記録、そして星から学ん ...

 ここ高知市桂浜の砂は白くきれいである。太平洋の豪快な波が打ち寄せ、そして静かに引いていくと、後には砂たちが一つひとつ波に磨き上げられたように輝く。桂浜の砂の美しさは格別である。足摺岬に近い「大岐の浜」の砂もいい。しかし、よく県外に行ってみる砂の色は微妙 ...

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