2020年07月

 毎年新しい彗星が発見されると、まずその星の軌道が計算される。新彗星は今太陽に接近中なのか、あるいは離れつつあるのか。その途中で我々地球に近づいて明るくなるのかどうか?興味を持って計算し、その結果を見守るのである。 その頃、本場のアメリカでは、まだマース ...

 三嶺の頂上で赤い夕焼空を見てから1ヶ月後のことである。今度は自宅観測台で、じっと明け方の星座を見つめていた。 東の地平線上に大きな体を乗り出してきた獅子座の一角に朦朧とした光の玉を見た。普段見慣れた位置である。そこには星団や星雲(銀河)は絶対にない事を知 ...

 突然、夕焼けが輝いた。長い梅雨の合間に見る夕焼けは殊のほか美しい。最もこれで晴れるというわけではなく、長い梅雨の中での一瞬の輝きである。 夕焼で思い出すのは1961年9月、高知県と徳島県の県境に立つ高山(三嶺)に登った時の事。第二室戸台風の来襲による暗黒の中 ...

 私が昔住んでいた上町2丁目9の二階の部屋です。この簡素な部屋で多くの小惑星の円軌道や、彗星の位置予報を計算して世界に発信していました。20才半ばでしたでしょうか。友人もなく、数字ばかりと向かい合った良い時代でした。 机上には今のようなパソコンも測定器もあり ...

 今多くの地区で梅雨前線の活発な活動による深刻な水害が頻発している。ここ高知県でも例外ではなく、私の住んでいる高知市でも、中央近くを流れる鏡川による水害は後を絶たなかった。もっとも最近では堤防が補強されて被害は少なくなったが、昔は田畑だった低い場所に多く ...

 俗に「人斬り以蔵」と言われた岡田以蔵(1838-1865)は、土佐勤王党武市半平太の門下。剣術に優れ数々の戦場で武勲をたてた。しかし晩年は肺結核を患い、不名誉な暗殺の罪で役人につかまり、土佐に連れ戻され、がんきり橋でさらし首となった。暗殺に使ったとされる長刀は最 ...

 今から遠く1975年の8月、はくちょう座に新星出現のニュースが世界を走った。夏の大三角を形作る一角のデネブのそばに、1.5等星と思われる恒星が突如現れて爛々と輝き始めたのである。世界中で星座を観察している人は多い。しかし日本が運よく夜の間に出現したので、”ホン ...

7月7日の七夕様がやってきた。しかし日本列島は梅雨前線の大荒れによる大災害である。星はまったく見えない。しかし、雲の上では、戦時中防空壕の中から見た職女星が限りなく美しく輝いているはずである。そして、天の川を東に渡った牽牛星も。 この二つの星を底辺とする ...

 6月30日は近くの氏神様のお祭りであった。家から1.5㎞くらい離れた鏡川沿いの森に、氏神様がある。昔はいまと違って賑やかで、遠くまでお祭りの笛や太鼓の音が聞えていた。 参道に立ち並ぶ夜店も、今のように分かり切った日用品を並べるのと違って、実にバラエティに富ん ...

 私が中学2年生だった1945年の夏は、学校にはろくに通わず、毎日が過酷な労働だった。高知県に駐留していた関東軍と共同で本土防衛のための土木工事に従事していた。 大平洋戦も大詰めになって、高知市の様な地方都市も度々B-29の爆撃を受けた。作業場から20kmほど離れた高 ...

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