2020年12月

 国立天文台の副台長、渡部潤一博士の令嬢、故「渡部真里奈」さん(1990−2019)の命名である。下記1992年に芸西で発見し、その後内外の天文台を含めて4回以上の衝における観測が成立し、命名がセンターで認められた。今後は約2年ごとに地球に接近して、微笑みの姿を見せ ...

 四国も最南端、足摺岬に近い岩窟である。大昔、ここを訪れた時、地元の老婦人が教えてくれた。ここは臼蝿(うすはえ)と言う釣りの名所であるが、満月の晩には、底知れぬ深い洞窟の中から、この水路を伝って、海亀が泳ぎ出てくるという。そんな話は、足摺岬灯台の下の巨大 ...

 1993年に芸西天文台で発見した小惑星に浦島太郎(27790)がある。太郎こそ竜宮城訪問の主人公で、先に小惑星「竜宮」を尋ねていた”隼2号”に続いて、このほど地球に帰ってきた。すなわち地上から無事観測されたのである。浦島太郎はウミガメに乗って帰ってきたので、隼よ ...

 全天にはいくつかの華やかな流星の活動する星座があります。毎年11月の中旬に活動していた「しし座流星群」は、このところ低調です。2000年頃大出現を見せましたが、今は母彗星は遠く、しかも軌道がすこしずれたのか今では話題にならなくなりました。しかし12月に活動する ...

 大空に漂う奇妙な白い雲を見ていると、ふと昔見た飛行船を想像した。今でこそ消えたが、戦前は飛行機の如く、ときどき飛来して「あれよ、あれよ」と眺めた。飛行船は飛行機に先んじる空の交通手段だった。ドイツからアメリカまでの定期船があって人気が高かったが、到着し ...

 大島青松園に隔離されていた瞳さんとは、結局一度も会えずに終わった。彼女からくる手紙には最後に「この手紙は十分消毒が行われていますので安心してお読みください」との添え書きがあった。ハンセン氏病を、伝染病とする誤った考え方が、患者にも浸透していたのである。 ...

 自宅二階の窓から見た夕方の景観です。午後5時半、道路は喧噪を極め、盛んに通勤帰りの車が通っています。市街を包んでいた紅い夕焼けの色も、わずかに薄れて、夕闇が濃くなってきました。そして中空に、ぽっかりと三日月がうかびました。 月の西には低く、木星と土星が接 ...

 12月にしては随分暖かい日が続くと思っていたら、ついに寒波がやってきた。夕暮れの西空を見ると、大陸の方から南下してきた雪雲が、まるで巨大な恐竜が襲い掛かるように地平線に横たわっている。しかし高知県は北に高い四国山脈があるので、冬場はよそより晴天に恵まれる ...

 高松市の遙か北、瀬戸内海に浮かぶ大島は風光明美な場所であった。施設の名は正しくは「大島青松園」と言った。海岸から2kmほど北の島に宿舎が幾重にも並んで見えていた。病院らしい建物もあった。しかし、当時はハンセン病が伝染性の強い病気と誤認されていたために、簡単 ...

 添付した写真は、最近ある講演会の会場で聴講者の一人から依頼され、書いた色紙である。字はたいしたことは無いが、実は下の方に押された朱色の判に、今回の物語の深い秘密が隠されているのである。 1961年10月、初めて新彗星の発見に成功した時、多くの全国の人から祝福 ...

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