2021年02月

 北天に輝いています。絢爛たる美しさです。彗星の捜索をやっているとき、この様な美麗な天体が視野に入ってくると、それまでの苦労も疲れも吹っ飛んで、おもわず快哉の声を発します。彗星が見つからなくとも、こうした天体が次々と入ってくる彗星の捜索ほど楽しいものはあ ...

 他の天体とランデブーしたわけではありませんが、ヘルクレス座に見える球状星団M13は見事です。肉眼では無理かもしれませんが、双眼鏡を使えば楽に見られます。小さなコメットシーカーで、彗星を探していて、時々侵入してきます。外観が彗星に似ていて一瞬「ハッ」とします ...

 1986年4月、近日点を通過したハレー彗星は南の空に向かって南下して行きました。3月に芸西の60cm反射望遠鏡で撮影した写真では、10度ばかりの雄大な尾が靡いていました。ところが4月になって、さそり座の南に輝いている頃、突然尾が見えなくなりました。そのことについて、 ...

 彗星や小惑星は天空を移動していきますから、いろんな有名天体と接近したり或いは重なってしまったりすることも珍しくありません。今日紹介する「かに星雲M1とステファン・オテルマ彗星」は異様な姿を呈しました。 M1というのはフランスのコメットハンター「メシエ」が記 ...

 1962年の立春は2月4日だった。永い冬が去って春がやってこようという静かな日、星空はまだ冬の美しさを称えていた。夜半には壮麗な銀河が天頂から南の地平線に落ちていた。手製の88mm、17xの屈折式コメットシーカーは3.5度という広い視野を誇り、無数の微光星をより分けて ...

 1953年11月に発見された「パジュサコバ彗星」は、スカルナテ・プレソ天文台の女性のコメットハンターによる発見であった。ムルコスと共に非常な鋭眼で、同じ10cmの双眼機を使用していた。今回の彗星は北欧では非常に低い南の地平線上にあった。拡散した11等星である。 そ ...

 話をもう一度、失踪したペライン彗星に戻そう。第二回目の「彗星会議」で、それを追跡すべき軌道の計算を続ける、と豪語した長谷川氏はそれから10日間、計算に没頭して遂に軌道が完成した。1950年から55年までの木星による摂動作用を加えた軌道が出来上がった。早速、それ ...

 1947年から1959年までの12年間に10個の新彗星を発見したアントン.ムルコスの活躍は忘れられない。彼は旧チェコ スロヴァキアのスカルナテ・プレソ天文台にあってタトラ山脈の中、海抜1,400mの高地で活躍した。プロの天文家であるが、この天文台ではベクバル台長自らもコ ...

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