小惑星や彗星を探索していて、一番決め手になるのは天体の移動です。二重撮影によって、天体が移動しておれば、恒星や星団、星雲の類では無いことが分かります。つまり、それは太陽系内の小惑星か彗星かということになります。最終的な決め手は軌道計算することによって判 ...
2021年05月
夕空の水星
今、夕方の西空に低く水星が見えています。3階屋上からのながめですが、美しい夕焼けの上の暗い空に、ポツネンと輝く姿は印象的です。恒星の様にまたたいていませんからすぐ眼につきます。夕方20時頃の空ですが、まだ他の星は輝いていません。水星の東方最大離角は今月の1 ...
”宇宙のクラゲ”ホームス彗星
2007年、突然バーストを起こし大増光した時のホームス彗星 17Pである。全体にグリーンの美しいシャボン玉のようなスタイルで、普通の彗星と違って、コマの輪郭が青い風船のように、くっきりとしていたのが特色である。約100年前に出版されたバーナードの天体写真集にも、た ...
白鳥座新星の思い出
とにかく明るい新星でした。およそ100年に1回の現象でしょうか?高知県も北の山奥、通称”天狗高原”に登山して、四国で一番美しい星空に親しんでいました。標高1000m、光害の皆無と言われる高原の空には、明るい恒星の光芒が満月ほどに大きく見えました。この別天地に天 ...
3本の尾のシンボル”彗星三人組”
芸西天文台の東側には深い谷がある。そして森がある。その森の上に1976年3月のある日、3本の尾を持つ奇怪な彗星が現れた。有名な「ウエスト彗星」である。 過去の例によると、1744年の同じ3月に、クリンケンベルグと言う大彗星が出現して、スイスの山奥の湖に、6本の尾 ...
夕焼け空と彗星発見
自宅3階の屋上からの眺めです。昔、蜃気楼が見えた場所ですが、四季それぞれの美しい雲の流れがあります。こうした夕焼雲が消えていくのを待って彗星の捜索に入るのですが、美しい風景を見た後の心は穏やかに落ち着いて、星もよく見えました。春の宵には黄道光が輝いて、神 ...
香美市が星になった!
夜空に無数に輝く星の中に「香美市」と言う新しい星(小惑星)が加わることになった。これは、芸西天文台で発見した小惑星(26097)にKamishiと命名し、アメリカの小惑星命名センターに申請してあったもので、今回ようやく承認され実現した。 香美市は旧「土佐山田町」で ...
赤いお化けの月
今月の26日には日本国内で皆既月食が見られます。月食は日食ほど学術的価値が高くないといわれていますが、久しぶりに奇怪な赤い月を鑑賞して下さい。 夕方、月は欠けながら登ってきます。赤く見えるのは地球の大気を通った太陽光が強く影響しているからだと思いますが、 ...
史上最大の彗星「ドナチ」
奇怪な姿をしたドナチ彗星は1858年6月、フローレンスの空に現れた。近日点は同年の9月30日に通ったが、その時雄大にカーブした尾は40度に達した。写真で見ると左の冠座から、右の北斗七星まで、悠悠とまたいでいる。大きくカーブした尾がダストの尾「タイプⅡ」で、頭部 ...
5月に発見された彗星
1968年5月1日の早暁、多くの日本人によって明るい彗星が発見された。星の名は、「多胡-本田-山本彗星」(1968 H1)である。このころは、プロの大型望遠鏡による全天の計画的な捜索が、それほど盛んに行われていなかったので、太陽の近くにやって来て、急に明るくなって眼 ...