アメリカ、フラグスタフの海軍天文台を基点として、1950年頃から1960年代の半ばにかけて、彗星の位置観測や検出に大活躍した女流天文家である。この間、10年余にわたって検出した周期彗星の数は悠に60を超える。正に彼女の独り舞台であった。 新彗星の位置観測にも抜群の ...
2022年01月
スミソニアンの”彗星3羽カラス”
写真は向かって左からセカニア氏、ホイップル氏、マースデン氏の彗星3人組である。車には「COMETS」と書いてある。これで市街を走っただろうか? セカニア氏はヨーロッパ出身の彗星の物理学者。ホイップル氏はいくつかの彗星発見者であるが、1950年頃提案した彗星の「非重 ...
冬の赤い花
私の家のリビングには昨年の暮れからの赤い花が咲き続けている。この蘭の花は、昨年の12月8日、芸西天文台開館40周年の式典の時、五藤光学の社長から送られたものである。 高知県の天文学の歴史は常に高知県出身の五藤斉三氏と共にあったように思う。古くは戦前の1938年 ...
海洋を彷徨う魂
カノープスを南に高く見せる土佐湾の海岸は果てしなく西に遠い。いつの日か足摺岬に近い大方町の海岸に遊んだことがあった。ここには美しい松林と運動公園がある。冬温暖なところで、かつてはプロ野球の球団が冬季のキャンプ地に選んだ。 小さな街並みを歩いていると、公 ...
芸西のカノープス
全天で2番目に明るい「りゅうこつ座」の1等星カノープスの見える時期がやってきた。1965年、ホーキボシを追っかけて、須崎市の「バンダの森」に登ったとき、シリウスと間違えるような、南の高い空にカノープスを仰いでおどろいたことがある。彗星を発見した高知市では、南 ...
オリオン星座の輝くころ
全天に輝く星座の中で、オリオン星座ほど均整の良くとれた美しい星座は無い。行儀よく並んだ三ツ星の北には赤い一等星のベテルギウスがあり、その対象の位置の南には、蒼いリゲルが輝く。彗星の捜索をしていて疲れた時、ふとオリオンを見ると、その疲れも吹き飛び、新たな ...
奇跡を生み出した本
昨夜は激寒の下、惑星の観測会が芸西天文台で行なわれました。快晴でよくみえました。口径が70cm300xですと、なかなかシーイングのよい晩に出遭えません。西の地平線に低い土星の模様や衛星のタイタンが辛うじて見えていました。 観測が終わってから急遽「サイン会」に ...
新春の惑星観測会
1月7日は、約20人の参加者があって芸西村の天文台で観測会がひらかれました。担当は松木講師と私で、松木氏の手慣れた説明で観測会は順調に進行しました。やや薄雲が去来する寒い晩でしたが、参加者は夕空にずらりと並んだ豪華な惑星や半月の美しい姿に陶酔しました。 太 ...
四分儀座流星群の思い出
私の若い時代はコメットハンターであると共に流星の観測者でもありました。今日1月4日は四分儀座流星群の観られる日でしたが、夜明け前の高知市の空に微光の流星が時折り「チカチカ」と輝きました。しかし、昔はもっと出現が多かったように思います。 忘れもしません ...
謹賀新年
とうとう2022年が明けました。皆様良いお年をお迎えのことと存じます。 大晦日は格別忙しいことは無く、ただぼんやりと過ぎし年を回想していました。テレビで、騒がしい歌番組がひびくなか、個室で孤独に構えて、バッハやヘンデル、ブラームスやショパンのクラシック音楽 ...