2022年08月

 時あたかも春爛漫の5月。上町の自宅中庭に設置した観測台に上がった私は、ようやく明け染めんとする東南の低空を一心に見つめていた。時刻は午前4時半。東南に低く見えている筆山の峯がわずかに白く染まっていた。その薄明の中に、私は、先刻から彗星状の白くボウッと光 ...

 自宅二階の窓からの南の眺めである。 遠くに鷲尾山がこんもりと見えている。夏も終りでそろそろ秋風が吹くころであるが、空には夏の入道雲と秋の高いさば雲が同居していて、なかなか暑さは収まらない。8月24日は高知市一宮の「しなね様」のお祭りの日だった。この夏祭りが ...

 あれは1951年の秋も深くなった11月だった。夜開け前の東北天を水平捜索していた私は、午前4時30分に「牛飼い座」の一角に、白く輝く10等級の彗星らしい天体を捉えた。望遠鏡は口径10cmの反射鏡を自分で組み立てたもので、当時流行した”シーソータイプ”と呼ばれる奇妙な形 ...

 最近は秋になっても虫の合奏を聴くことが少なくなったように思う。ハレー彗星のやってきた1985-86年には芸西村の天文台のそばでは、まるで遠来の大彗星を歓迎するかのような虫の大合奏が聞かれたものだ。♪リーン・リーン ♪チンチロリン ♪ズイーチョン ♪ガシャガシャ ...

 お盆に入ってからの天体観測会であるが、それほど暑さは感じなかった。しかしあいにくの台風8号の接近で、雲の多い天候だった。 ここ芸西村の天文台には約30人の見学者が押し寄せた。ほとんどの方が、お子さん連れの県内の方であるが、参加者名簿の中に独りで遠路、東京 ...

 去る7月19日、高知県の主催による天文講演会が高知市の科学館(オーテピア)で開催されました。これは、関の名誉県民になったことを記念したもので、四国はもとより、北は網走の熱心なコメットハンターまで参加して開催されました。 関の講演は、この半世紀に及ぶ彗星の捜 ...

  久しぶりに高知市の鏡川畔、筆山の下で納涼花火大会が開かれました。花火大会は高校生の頃、終戦後初めての大会を現地に行って見ただけで、それ以来すべて自宅からの遠望となります。今回は、新型コロナウイルスの関係で、ショーを早く終わらせたい意図があったのか、あ ...

 珍しいメダルです。1990年ごろ日本天文学会から、国内の天文家数人に贈られました。神田茂氏は大正年代から、昭和にかけて、東京天文台に努めた方で、その配下に広瀬秀雄博士がおられました。共に彗星や小惑星の軌道研究に従事されましたが、終戦後、神田氏は「日本天文研 ...

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