キューバの作曲家「ホセ・ミシェル・カレヨ」によって、”池谷・関彗星の曲”が作曲され、地元のキューバで演奏されてから、その録音を度々聞きながら私は天文台で観測していた。”太陽を掠めるグループ”の彗星は、顕著なものでは1843 D1(3月の大彗星)、1882 R1 9月の大 ...
2022年09月
作曲家「ホセ・ミシェル・カレヨ」
キューバ西部に位置するピナール・デル・リオでは、早速、管弦楽団の団長に会いました。そして楽譜を見せると一見して「オッ!これはミシェルの書いたものだ」といいました。そして次の言葉に愕然としました。「サックス奏者のミシェルは良い男だった。しかし5年間に亡くな ...
イケヤ・セキ彗星の曲
これが問題の「イケヤ・セキ彗星」の楽譜です。キューバの作曲家「ホセ・ミシェル・カレヨ」の作曲したもので、日本音楽著作権協会を経由で、発見者の下に送られてきました。表紙には「彗星発見のニュースを知り、即興的に作曲した」との添え書きがありました。楽譜はスコ ...
夏雲の果てに
巨大な台風13号の接近中の不穏な空です。しかし夏雲は沸き立って青空は美しく、間もなく台風が襲ってこよう、とは思えません。 私が初めて彗星を発見した年には、同じ9月の中旬に山にのぼりました。折から台風24号(第2室戸台風)のやって来ている不穏な空気の中でした。 ...
芸西観測所の仙人
いくつかの彗星を発見してきた高知市上町の星空も、1970年頃を境として公害(光の害)のために見にくくなった。もともと人口18万ほどの小都市であったが、戦後は急速に人口が増え、かつ高いビルも多くなって天体発見には不向きとなった。1970年頃、芸西村の岡村村長の好意 ...
物干し天文台の時代
観測所が自宅にあるという事はとにかく便利だった。1965年9月の「イケヤ・セキ彗星」発見の時など、夜明け寸前に飛び起きて中庭の観測台に駈け上がり発見した。しかしコメットシーカーは口径僅かに9cmの短焦点鏡だったので、精密な位置観測の精度に欠けていた。スケッチに ...
名月と孤独
今夜は仲秋の名月です。やや雲が多かったのですが明るい惑星「土星」とならんだ光景は絶景です。月の名所は桂浜がありますが、若い頃一度観光バスでいきました。浜辺の大勢の観客が集まった中で、拡声器からベートーベンのソナタ「月光」の第一楽章が静かに流れていました ...
彗星を見つける眼
先のブログでは「彗星を見つける心」について語った。「彗星を見つける眼」も捜索に当たっては重大である。私の知り合いで”新彗星を50年間追いかけて一個も発見無し”と言う、不名誉な記録をつくった人がいたが、問題はその内容である。そして、真面目な意味での彗星を見 ...
彗星を見つける心
彗星を発見するには、よく訓練された独特の眼があるらしい。彗星捜索を半世紀以上もやって、私は特にそのような目を意識したことは無い。しかし、いつも発見した時「今日も無念無想だったなあ」と思う。何も考えずに、ただ一心に捜索に集中した時、新しい彗星はあらわれる ...