彗星を発見するために望遠鏡を1から自作することから始めた。口径10cmの反射望遠鏡である。ある有名な科学雑誌の出版社の代理部で磨くための材料を仕入れた。しかし、このころは初心者を食い物にしたインチキ会社が多く、せっかく向学心に燃えた若い人たちが犠牲になった。口径10cmの鏡の素材は、厚さが1cmほどの薄いガラスだった。ひずみをなくするために15mmは必要である。斜鏡も小さい。ともかく苦心して研磨し、アルミナイズはメーカーに依頼した。
 こうして苦心惨憺、日曜大工で仕上げた経緯台のスタイルは変わっていた。「シーソータイプ」と呼んで当時は大流行した。なにしろ筒が無いので作りやすかったのである。

 鏡筒の後の箱の中に、苦心して磨いた10cmの主鏡が入った。前の箱には小さな斜鏡がいた。主鏡が受けた星の光を、直角に曲げて筒の外に出し、そこに接眼鏡(アイピース)をセットして拡大して見るのである。
 何もかも全自作。これで初めて見た星の感激は忘れない。世界中のどんな大天文台の望遠鏡で見たよりも大きな感激が伝わってきたのである。何しろ苦心して作り上げた望遠鏡の中に、あの巨大な木星が、チャーミングな土星が、、そして幽遠なるオリオンの大星雲が写ったのである。この瞬間において、私と天文学とは切っても切り離せない深いつながりとなったのである。

(口径 10cm,F10の反射望遠鏡、倍率は25x〜100x)
名称未設定

にほんブログ村 科学ブログ 天文学・天体観測・宇宙科学へ
にほんブログ村