2007年に出現したホームス彗星には驚かされました。周期約7年で回帰するのですが、2007年出現の時には18等星くらいの予報の時、突然2等級になって世間をアッと言わせました。
この時の彗星は、短い尾を曳いた、まるでクラゲのような恰好をしていました。そして更に変わったところでは、コマの輪郭がまるで風船の様にくっきりとしていたことです。彗星のコマは99パーセント朦朧として輪郭がぼやけているものです。
彗星の内部に一体何が起こったのでしょう?彗星は地球や太陽から遠ざかりながら、コマは拡大膨張して、最後には3度くらいの大きさになって、宇宙の彼方に消えていきました。
最も、彗星が爆発増光したのはこの時が最初ではなく、今からざっと100年ほど昔に、アメリカのバーナード博士が出版した天体写真集にも、アンドロメダ座の銀河M31に接近した時の、くっきりとしたコマの同彗星が写っています。

写真は、奇妙な姿をして宇宙を泳いで行くホームス彗星の姿を、芸西天文台
の60cm反射望遠鏡が撮影しました。中心の点が核です。


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