発見から54年たった今年の9月19日、折よく芸西村の天文台で一般公開があった。この日は高知放送も取材に訪れていた。パソコンでまず1965年9月19日、午前4時の星空を銀幕に投影した。その懐かしい星座を見ながら、私は発見の状況を語った。台風24号の来襲で、遠く10kmも離れた桂浜に打ち寄せる波の音を幽かに聞きながら、私は一心にレンズの中に映る星影を追っていた。

 そして4時10分発見!9cmのコメットシーカーは、東南13度の低空に見える、ウミヘビ座の中を指していた。彗星は「クロイツ属」と言われるグループのもので、太陽接近は避けられない運命にあった。0.006天文単位まで接近し、摂氏100万度の高熱を浴びた。彗星は太陽コロナの中を潜りぬけ、南半球の空に偉観を呈した。キューバの音楽家「ホセ・ミシェル・カレヨ」は、その姿を見て即興的に作曲した。楽譜は日本に届けられた。それが、「イケヤ/セキ彗星の曲」である。

 曲は30年以上演奏される機会が無かったが、日本から報道関係者がキューバを訪れたとき、古いメンバーが集まって、ハバナ市の有名な音楽堂で演奏会が開かれ、初めて”Comet Ikeya-Seki"が演奏された。
 私は、時々楽譜を出してギターで演奏してみる。弦の音にあの時の感激が不思議と蘇るのである。
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