大小のマゼラン雲は南半球の南極の近くに輝く、よその銀河です。大昔大航海家だった「マゼラン」が発見したことで、この名があります。昔は飛行士にしても、航海士にしても星を見ながら、方角を決めることが多かったようです。

 私が憧れの「マゼラン雲」を見たのは、1986年4月、あの大「ハレー彗星」がやってきた時、南半球にあるニューカレドニアの島で見ました。ところがこの頃大マゼラン雲に超新星が現れて、その光がついそこまでやって来ていたのでした。

 マゼラン雲は遠いので、我々の太陽系に光が到達するのに歳月を要します。翌1967年、日本に帰ってきて、初めて南半球で起きた大事件の事を知りました。添付写真の左側は、超新星の起こる前の暗い恒星です(白い矢印)。右の写真は、それが爆発して、周辺の星まで飲み込んでしまった物凄い現象です。

 最近、オリオン座のベテルギウスが爆発するかもしれない、という事で学俗界が騒いでいます。オリオン座の北の紅い一等星は不規則変光星ですから、光の強さが変化します。しかし爆発する決定的な現証拠はなく、超新星になって夜空が明るくなり、暗い夜がなくなるのはもっと先の事かもしれません。ベテルギウスまでは6万光年以上ありますので、いま超新星爆発を起こしても、実際に見えるのはそのくらい先になります。
 そう思って、今見ごろのオリオン星座を見てください。宇宙のスケールを想うとき、気は大きくなります。

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