今は夏になっても滅多に蛍にお目にかかれませんが、天文台のある芸西村の小山の上には、時々高い空を光りながら飛んでいるのを見かけました。ところが山には水場が無い関係か、この10年くらいの間はお目にかかることはありませんでした。

 ドームの入り口のすぐそばに暗い繁みがあるのですが、その繁みの中に遠くの星のように蒼く光る蛍を発見しました。飛んでいません。まるで蛍の幼虫のように停まって静かに明滅しているのです。懐かしい蛍の光です。
 昔は冬でも飛べない蛍の幼虫が、路面で盛んに明滅している様子を良く見かけていましたが、今は冬も夏にも全く見えません。少しずつ自然の環境が変わっていくのでしょうか。
 
 蛍騒動が終わってドームの中から星空を見ました。70cm望遠鏡のレンズの中には、先ほどの蛍の様な青い色をしたパンスターズ彗星が静かに輝いていました。5月4日に近日点を過ぎ、今夕方の天頂付近にあって9等星です。2017年に発見されてから今なお明るく輝いています。息の長い彗星です。

(パンスターズ彗星C/2017T2。2020.05.28日20時24分、70cm反射にて)

DSC_0773

にほんブログ村 科学ブログ 天文学・天体観測・宇宙科学へ
にほんブログ村