宇宙に散在する星団や星雲には、その形状が地球の国の形や物体とそっくりの形をしているものがあって興味は尽きません。ここに紹介する”ばら星雲”は、カラーで撮影すると赤い色をしたバラの花そっくりです。しかも真ん中にトンネルが開いていて、もしロケットで抜け出たら向こうにどんな世界が展開するだろうと幻想を誘います。点在する冬の天の川の微光星も実にシャープで美しいものです。

 実は、この写真は60cmではありません。芸西に五藤製の60cm反射望遠鏡が完成するまでの5年間、この40cm反射望遠鏡を使用していたのです。40cmの鏡面は愛知県の小島信久さんが研磨し、鏡筒部は私が自作しました。この全自作の反射望遠鏡で1980年5月、45P/本田・ムルコス・パジュサコバ彗星他4個の周期彗星の検出発見に成功しました。
 デジタルの時代に、あえて不便な手動で操作して成果を挙げたことは一生忘れられない思い出として残っています。
 参考までに関の検出した周期彗星は、1974年のフインレー彗星から1993年のホームス彗星までの26個となっています。特に最初のフインレー彗星は口径22cmの自作の反射望遠鏡によるものです。

(写真はFeb.16.1980 20:47m-22:07m 103a-E 天文用ガラス乾板 D-19現像)

スキャン


にほんブログ村 科学ブログ 天文学・天体観測・宇宙科学へ
にほんブログ村