1993年に芸西天文台で発見した小惑星に浦島太郎(27790)がある。太郎こそ竜宮城訪問の主人公で、先に小惑星「竜宮」を尋ねていた”隼2号”に続いて、このほど地球に帰ってきた。すなわち地上から無事観測されたのである。浦島太郎はウミガメに乗って帰ってきたので、隼より遅れたのである。
 浦島太郎が”玉手箱”を開けるのは高知県の足摺岬に近い「大岐ノ浜」ときめている。果たして中から何が現れるか、楽しみである。

 今回浦島太郎の観測に成功したのは、日本でも常連の彗星観測家、高橋俊幸氏(宮城県)であった。光度は18等級で、やや暗いといえば暗いが、決して、アマチュアに観測できない光度ではない。今、芸西が発見命名した小惑星「東亜天文学会」が創立100周年として、話題になり、多くの会員によって観測合戦が繰り広げられているが、浦島太郎も忘れずに観測してほしいと思う。小惑星は、大体2年余りで地球とランデブーして、最も近く明るくなるのである。

(写真は芸西で観測した明るい小惑星の運動を示す。この様な多重露出によって
モーションの違いから発見するのである。彗星も同じこと。)

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