1986年4月、近日点を通過したハレー彗星は南の空に向かって南下して行きました。3月に芸西の60cm反射望遠鏡で撮影した写真では、10度ばかりの雄大な尾が靡いていました。ところが4月になって、さそり座の南に輝いている頃、突然尾が見えなくなりました。そのことについて、「尾が消えた!」と、マスコミが大々的に報道しましたが、これは尾が完全に消えたのではなく、太陽を背にして、地球から見て、尾があちら側に流れたために、一時的に見にくくなったものと思われます。しかし3月の時より尾に変化があったことは事実です。
このハレー彗星の異変を追求すべく、私たち熱心家は南半球に飛びました。フランス航空が用意した飛行機は、その名も「ハレー彗星号」でした。目的地はオーストラリアの東に浮かぶ、天国に一番近い島と言われる「ニューカレドニア」です。夜行の飛行機の窓から見るハレー彗星も、依然として尾は見えていませんでした。
ニューカレドニアには一週間滞在して観測しました。ハレー彗星は南半球のシンボル”南十字星”のそばに輝いていました。3等星でしょうか、扇型の美しい短い尾を見せていました。76年毎に回帰するハレー彗星には紀元前240年から2,000年以上の歴史がありますが、過去、南十字のそばに輝いたことはあっただろうか?と考えました。もしかすると、今回が、長い歴史の中での、たった一回の珍しい現象かもしれないと思って観測しました。正に”永遠の瞬間”とも言える貴重な体験でした。
首都ヌーメアに滞在中は毎日観測しました。そして最後にはケンタウルス座の有名なオメガ星団とランデブーする珍らしい現象と遭遇しました。ω星団は3.5等星で、赤緯がマイナス47度の位置にありますから、日本から辛うじて見る事が出来ます。いま観望の好機を迎えている老人星”カノープス”より高く見やすいです。
(写真は1986年4月20日、ヌーメアにて200mm望遠レンズでガイド撮影。上がハレー彗星、下がω星団)


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このハレー彗星の異変を追求すべく、私たち熱心家は南半球に飛びました。フランス航空が用意した飛行機は、その名も「ハレー彗星号」でした。目的地はオーストラリアの東に浮かぶ、天国に一番近い島と言われる「ニューカレドニア」です。夜行の飛行機の窓から見るハレー彗星も、依然として尾は見えていませんでした。
ニューカレドニアには一週間滞在して観測しました。ハレー彗星は南半球のシンボル”南十字星”のそばに輝いていました。3等星でしょうか、扇型の美しい短い尾を見せていました。76年毎に回帰するハレー彗星には紀元前240年から2,000年以上の歴史がありますが、過去、南十字のそばに輝いたことはあっただろうか?と考えました。もしかすると、今回が、長い歴史の中での、たった一回の珍しい現象かもしれないと思って観測しました。正に”永遠の瞬間”とも言える貴重な体験でした。
首都ヌーメアに滞在中は毎日観測しました。そして最後にはケンタウルス座の有名なオメガ星団とランデブーする珍らしい現象と遭遇しました。ω星団は3.5等星で、赤緯がマイナス47度の位置にありますから、日本から辛うじて見る事が出来ます。いま観望の好機を迎えている老人星”カノープス”より高く見やすいです。
(写真は1986年4月20日、ヌーメアにて200mm望遠レンズでガイド撮影。上がハレー彗星、下がω星団)

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