北辰一刀流の、免許皆伝を持つ坂本竜馬は、かなりの剣豪だったらしい。しかし慶応3年11月15日、京都の近江屋で刺客に襲われ命を絶ったのは、剣豪にも僅かな隙があったのだろう。この時、竜馬は刀を床の間に置いて、中岡と密談していた。底冷えのする夜だったという。
 私の家の近く、上町1丁目の電車道りには、彼の古い生家が残されていた。しかし、昭和20年7月4日の高知市大空襲で焼失した。今は生家の場所としての記念碑が立っているだけである。中岡と共に遭難した京都の三条大橋の近くにも記念碑が残されている。

 早春のある日、竜馬生誕地から南に向かう横町を歩いてみた。やがて鏡川の土手に差し掛かる。竜馬は少年の頃この道を歩いて、鏡川畔の道場に通っていた。道場の跡らしい築屋敷町の古い門構えの家の庭には、早春の梅の花が満開だった。竜馬も練習に疲れた時、この梅の木を眺めていたのだろうと思った。

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