ハレー彗星を見るために遠征した最後の日、ニューカレドニアの首都ヌーメアの街にある珍しい水族館を見物した。そして南太平洋の美しい東海岸を歩いて宿に帰っていると、望遠鏡を担いで歩いてくる日本人と出会った。すれ違う瞬間青年は、「もしや関さんではありませんか?」と声をかけてきた。「いかにもそうですが・・」と応えると「やはりそうでしたか・・。こんなところでお目にかかろうなんて・・・夢にも思っていませんでした」と大変感激した様子であった。

 聞くところによると1962年の「関・ラインズ彗星」の出現した頃、彼は天文に興味を持った一少年であった。彗星を観測するために、発見者の私に手紙を書いた、という。私はハッとして「ご返事は差し上げましたか?」と聞くと「ありがとうございました、戴いたお便りと観測の図面は、今でも部屋の壁に掲げてあります。」とにこやかに答えた。
 私もかつてそうであったように、先輩からのアドバイスが彼を大いに勇気づけたのだ。そして一人で観測にやってくるほどに彼は成長した。私たちは、海の見える海岸のベンチに座って共に星を語り、観測を語り、そして人生を語った。

(写真は大マゼラン雲の中で爆発した超新星。左側の矢印の先端の一微光星が原子爆発を起こして、右の写真のように大マゼラン雲を凌ぐ明るさとなった。)

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