自宅3階の屋上からの眺めです。昔、蜃気楼が見えた場所ですが、四季それぞれの美しい雲の流れがあります。こうした夕焼雲が消えていくのを待って彗星の捜索に入るのですが、美しい風景を見た後の心は穏やかに落ち着いて、星もよく見えました。春の宵には黄道光が輝いて、神秘な星空へと導いてくれるのです。
 彗星の発見は夕方より明け方の方が断然多いのですが、私の場合は6個の発見の中で2個が西空でした。中でも1962年2月の「関・ラインズ彗星」は、夜半に近い南天で、南の鷲尾山に隠れるくらいの超低空でした。アリゾナ州のラインズさんと発見を競い合った下りは、拙著「未知の星を求めて」に詳しく書いた通りです。

 今は、暗い星空を求めて、観測所を芸西村に移転しましたが、観測の場所は少々劣っ
ても、生活する家のそばにあるのが一番いいですね。発見への近道です。
 1965年9月の「イケヤ・セキ彗星」の発見は、大雨から晴天に気づいてからたった5分、パジャマ姿で観測台にのぼり、正に奇跡の発見でした。その奇跡的に発見した彗星は更に太陽に突入していって、生き残るという大奇跡を生んだのです。
 その奇跡の発生も、普段の膨大な努力の結果であることを忘れてはなりません。

夕焼け空



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