私が小学生のころには、火星には高等生物が住んで居ると信じられていました。アメリカのローウェルを始めとし、日本の多くの観測者も火星をスケッチして、火星人が掘ったとされる大規模な運河を沢山描き出しました。
3-4年生の頃だったと思いますが、毎日新聞系の「少国民新聞」に海野十三氏の「火星兵団」が連載されました。蛸のような形をした火星人と、地球の科学者の戦いで、その途中で「モーロー彗星」と言う巨大な彗星が現れて地球に衝突することになります。現実にあった「ハレー彗星」の影響を受けているのですが、その「モーロー彗星」が月の引力の影響(摂動)を受けて衝突を回避する発想は面白く、作者は流石科学者だと思わせます。
ところがその小説の連載中に「カニンガム彗星」と言う彗星が実際に現れて、小説を一層盛り上げることになります。肉眼的な大彗星です。秋の夕方のわし座に5度ばかりの尾を曳いて輝いていました。カニンガムはアメリカの軌道計算の大家で、私の最初の「関彗星」を計算し、770年後に帰ってくることを予言しました。
日本が太平洋戦争に突入して、そろそろ敗戦が近くなったころ、父がホウキ星が出ていると言いました。自宅の二階の窓から見ると、北の製紙工場の黒々と並ぶ異形な屋根の上に、不気味な一筋の尾が立ち昇っていました。これは恐らく1943年の「ホイップル彗星」ではなかったかと思いますが確証がありません。このホウキ星は、それから2年後の敗戦の予告だったかもしれません。
「ホウキ星は災厄を運んでくるもの」とのイメージは昔からあったようです。
(写真は地球に接近した関彗星 C/1961 T1)


にほんブログ村
3-4年生の頃だったと思いますが、毎日新聞系の「少国民新聞」に海野十三氏の「火星兵団」が連載されました。蛸のような形をした火星人と、地球の科学者の戦いで、その途中で「モーロー彗星」と言う巨大な彗星が現れて地球に衝突することになります。現実にあった「ハレー彗星」の影響を受けているのですが、その「モーロー彗星」が月の引力の影響(摂動)を受けて衝突を回避する発想は面白く、作者は流石科学者だと思わせます。
ところがその小説の連載中に「カニンガム彗星」と言う彗星が実際に現れて、小説を一層盛り上げることになります。肉眼的な大彗星です。秋の夕方のわし座に5度ばかりの尾を曳いて輝いていました。カニンガムはアメリカの軌道計算の大家で、私の最初の「関彗星」を計算し、770年後に帰ってくることを予言しました。
日本が太平洋戦争に突入して、そろそろ敗戦が近くなったころ、父がホウキ星が出ていると言いました。自宅の二階の窓から見ると、北の製紙工場の黒々と並ぶ異形な屋根の上に、不気味な一筋の尾が立ち昇っていました。これは恐らく1943年の「ホイップル彗星」ではなかったかと思いますが確証がありません。このホウキ星は、それから2年後の敗戦の予告だったかもしれません。
「ホウキ星は災厄を運んでくるもの」とのイメージは昔からあったようです。
(写真は地球に接近した関彗星 C/1961 T1)


にほんブログ村
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。