2007年、突然バーストを起こし大増光した時のホームス彗星 17Pである。全体にグリーンの美しいシャボン玉のようなスタイルで、普通の彗星と違って、コマの輪郭が青い風船のように、くっきりとしていたのが特色である。約100年前に出版されたバーナードの天体写真集にも、たまたま爆発した時の、同彗星が捉えられており、アンドロメダ座の大銀河と共に写った同彗星のイメージも全く同じようなクッキリとしたコマを見せていた。

 コマの中には白い中心集光部が見える。さらにやや偏心して恒星状の鋭い中心核が写っている。偏心しているのはコマ全体が、強烈な太陽風によって流されているからである。測定するなら、この偏心した核の位置で、もし核が暗くて見えていなければ明るい中心集光部を測定してしまうだろう。太陽の近くでは計算上の軌道とわずかなずれが生ずるかもしれない。またバーストを起こした後、それまでブルーだったコマの色が、たった3日でピンクに変身したことがあった。謎の多いホームス彗星であるが、まだそこまで物理的な研究も進んでいないようである。

 ホームス彗星の周期は7年で、次の2014年接近の時にも注意深く見守ったが、2007年の様な大爆発は全く起こらなかった。彗星という物は随分と、気まぐれ者である。今年の終わりにはそろそろ彗星も接近してくる。今度はどんな現象が起こるのだろう。今から楽しみである。

(写真は2007年、芸西の60cm反射鏡で撮影した、増光したホームス彗星)

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