世界的に大変な発行部数を誇るアメリカの「ナショナル・ジオグラフイック・ソサイティ」誌の事はアメリカから取材に来るまで知らなかった。しかし「日米商会」の方が二人通訳に来て、その雑誌の如何に有名な存在であるかを初めて知った。

 雑誌の第2ページ目には発見者たる静岡県の池谷さんと、私の普段の生活について取材した。
池谷さんは浜松の楽器工場に勤務しながら、自分で反射鏡を磨いて観測していることが紹介されていた。発見の時に使用された口径15cmの反射望遠鏡は、彼の全自作であって、彗星の捜索方法も人の意表を突くような変わった方法を考案していた。

 私は日ごろはクラシックギターを教えながら自由に屋根の上で観測していた。そのギターのレッス
ンについて取材したいというのだが、突然で生徒がいない。ところが、うまいことに入ったばかりの女子大生が忘れ物を取りに来た。そこで急遽入ってもらって練習風景を撮影した。
 トーマスさんの長男もエレキギターを弾くと言っていたが、私のやっているのはクラシックギターである。その歴史はピアノより古い。数百年の昔、ヨーロッパを旅していたムーア人が、スペインに伝えたのが、いわゆるスペインギターの始まりであったといわれている。トーマスさんが最後に「なにか1曲弾いてくれ」と言うから、スペインの巨匠、F.ソル作曲の「スペインのホリアによる変奏曲」を弾いた。

 昭和の初めに日本に来たギターの巨匠A.セゴビアは、その時「スペインの浮かれ者」というテー
マでこの曲を演奏した。対位法的にも和声的にもすぐれた名曲で、名演奏家にかかれば、ソルがベートーベンにもモーツァルトにも劣らぬ大作曲家であることが分かる。大阪のフェスティバルホールで、セゴビアが演奏した、ソル作曲の「第2ソナタ」のすばらしさは、今でも私の耳の底に残っている。

 以上、ギター談義になったが、次からまた☆に帰ろう。

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