今日(2021.09.19)の午後もよく晴れました。遠くに見える筆山の上に56年前の今日、彗星を発見しました。午後になって東京からの返信を待っているところへ、土佐市のコメットハンター「池幸一」氏がノコノコとやってきました。発見したにしては慌てていません。よく見ると手に大きな星図をもっています。
彼は今朝の彗星は全く知らないらしいのです。「星図が古くなって、新しいものに取り換えたい」というのです。「今朝、何か見なかったかい?」と尋ねると、「夜中に観測に出かけようとすると、家内が起きてきて(日曜くらい休みなさい)と言って、後ろから引っ張った」という。
こんなことでは発見以前の問題だ、と思いました。微妙なところで明暗を分けたのです。池氏は結局50年間観測して、一個の発見もないという不名誉な記録を作ってしまったのです。彗星発見というものはわずかな心のゆるみがあってもダメなものです。同じ"池”でも、どのような小さなチャンスでも目的に向かって噛みついていく池谷さんとは、ずいぶん違うと思いました。
新彗星は結局、第3者の発見はなくComet Ikeya-Seki(1965 S1)と、確定しました。そして早々とリゴレ博士によって10月21日の近日点通過が予言されたのも、彼の”千里眼”によるものではなく、過去のクロイツ族彗星の軌道が、ほとんど同じものであることから推定されたもので、長谷川一郎氏によると、彼はこのグループの彗星に関して、何か特別に予定表のようなものを持っていたのではないか?ということでした。つまり、彗星は発見されたとき、正しくクロイツ族彗星の描く軌道の上にいたのです。
こうして「池谷・関彗星」は、時々刻々太陽に向かって突進していくのでした。彗星の運命を待っているものは、摂氏100万度以上といわれる、太陽コロナの煮えたぎる、超高温の世界でした。同じコロナでも、こちらのほうが、はるかに怖い。
(ああ何事が起るのだろう)突然のショーをめぐって諸説芬々として流れる中、彗星は時々刻々太陽に向かって突入していくのでした。
(自宅屋上から見た東南方向の筆山。この空に20世紀最大の彗星が出現した。発見したのは手磨きの世界最小のレンズだった。)


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彼は今朝の彗星は全く知らないらしいのです。「星図が古くなって、新しいものに取り換えたい」というのです。「今朝、何か見なかったかい?」と尋ねると、「夜中に観測に出かけようとすると、家内が起きてきて(日曜くらい休みなさい)と言って、後ろから引っ張った」という。
こんなことでは発見以前の問題だ、と思いました。微妙なところで明暗を分けたのです。池氏は結局50年間観測して、一個の発見もないという不名誉な記録を作ってしまったのです。彗星発見というものはわずかな心のゆるみがあってもダメなものです。同じ"池”でも、どのような小さなチャンスでも目的に向かって噛みついていく池谷さんとは、ずいぶん違うと思いました。
新彗星は結局、第3者の発見はなくComet Ikeya-Seki(1965 S1)と、確定しました。そして早々とリゴレ博士によって10月21日の近日点通過が予言されたのも、彼の”千里眼”によるものではなく、過去のクロイツ族彗星の軌道が、ほとんど同じものであることから推定されたもので、長谷川一郎氏によると、彼はこのグループの彗星に関して、何か特別に予定表のようなものを持っていたのではないか?ということでした。つまり、彗星は発見されたとき、正しくクロイツ族彗星の描く軌道の上にいたのです。
こうして「池谷・関彗星」は、時々刻々太陽に向かって突進していくのでした。彗星の運命を待っているものは、摂氏100万度以上といわれる、太陽コロナの煮えたぎる、超高温の世界でした。同じコロナでも、こちらのほうが、はるかに怖い。
(ああ何事が起るのだろう)突然のショーをめぐって諸説芬々として流れる中、彗星は時々刻々太陽に向かって突入していくのでした。
(自宅屋上から見た東南方向の筆山。この空に20世紀最大の彗星が出現した。発見したのは手磨きの世界最小のレンズだった。)


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