全天で2番目に明るい「りゅうこつ座」の1等星カノープスの見える時期がやってきた。1965年、ホーキボシを追っかけて、須崎市の「バンダの森」に登ったとき、シリウスと間違えるような、南の高い空にカノープスを仰いでおどろいたことがある。彗星を発見した高知市では、南に標高300mの「鷲尾山」があってわずかに遮られ、見えたことがなかった。ここ芸西村では南は太平洋の広大な海である。これから2月3月にかけて、悠々とカノープスを仰ぐことが出来る。

 写真は芸西村の天文台で見た21時ごろのカノープスの光跡である。室戸に向かう国道55号線の彼方の遠い水平線を行くこれも汽船の光跡が見える。天文台から見ると、室戸岬から足摺岬にかけての海面が球形に見える。確かに丸い地球の眺めである。
 天文台では、こうした地上の雄大な光景から始まって、さらに神秘的な宇宙の世界へと、思想が展開していくのである。

(写真は35mmカメラで10分間タイム露出した。水平線上を行く遠い汽船と、星の
スローな日周運動がほぼ同じに移動している)

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