写真は向かって左からセカニア氏、ホイップル氏、マースデン氏の彗星3人組である。車には「COMETS」と書いてある。これで市街を走っただろうか?
 セカニア氏はヨーロッパ出身の彗星の物理学者。ホイップル氏はいくつかの彗星発見者であるが、1950年頃提案した彗星の「非重力効果」で有名な存在である。またマースデン博士はスミソニアンで、中央天文電報局の局長を努めていたが先年逝去された。ハレー彗星のやってきた1986-7年に日本にもきて、国立天文台で講演し、また各地の多くのアマチュア天文家にも会った。毎年多くの彗星の軌道要素を計算し、カタログを発行した。

 1955年頃であったと思う。当時東京天文台にいた辻教授が、太陽系の天体の軌道に
ついてNHKのラジオで講演し、「彗星の軌道は厳密には計算と合わないものである」と話していて、少なからず疑問を持っていたが、これは1950年にホイップル博士が提称した「非重力効果」の事を言っていたことが後でわかった。つまり太陽に接近した彗星は、その熱によって時折り内部の気体を噴射するので、そのロケット効果によって、従来の周期が変化するのである。その現象の顕著であったのが1948年に発見された「本田・ムルコス・パ彗星」で、毎回計算された軌道要素とずれていた。マースデン博士が、1964年に、初めてこの非重力効果の係数を入れて予報した彗星でもあった。
 我々の芸西天文学習館にも、これを専門に研究する学究がいて、周期彗星の再発見に協力してくれたが、惜しい事に若くして逝去された。


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