1946年12月末、浦戸湾で起こった奇怪な出来事の続きをお話しなくてはなりませんが、実はそれより前に浦戸湾で起こった、もう一つの不可解な現象についてぜひ聞いていただかなくてはなりません。それは”孕のジャン”と呼ばれている不思議な現象です。

瓢箪のような形をした浦戸湾の南の桂浜に近い船着場に「御畳瀬」や「孕」という場所があります。この付近の海で「ジャーン」と言う大きい音がして湾の水面に漣が立つというのです。釣り人の話によると「ジャン」が起こると、それを合図に一切魚が釣れなくなり、「ジャンがおこったから、もう帰ろう」とは、釣り人たちの合言葉でした。

この不思議な現象について寺田寅彦博士は興味を示し、高知県の南を東西に走る山脈の切れ目が「浦戸湾」になっている。従って海底の活動の起こりやすい地形で「ジャン」は一種の地鳴りである。と述べています。

私も子供のころ父の釣りについて行って、湾に船を浮かべている時、このジャンを経験したことがあります。しかしこの有名な「孕のジャン」も1946年の南海大地震の発生を境に、近年では全く聞かれなくなりました。そうです。地震によって、海底の地形が大きく変化したのです。

(写真は五台山から見た浦戸湾で中央の島は巣山。孕は湾の向こうの入り口近くにある)
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