芸西村の天文台には実に50年通った。高知市から東に延々と伸びる国道55号線を40分ほど走ると、芸西村の見える手結山に到達する。低い山頂から、およそ10kmの東の室戸岬に連なる山腹に、白く輝く天文台のドームが彷彿と見える。その手結山に有名な「峠の餅屋」があって、あんこ餅を搗いていた。味は第1級で有名であった。
安芸市出身の五藤斉三さんによると、大昔、東の室戸方面で強盗事件があって、山賊が逃げる途中で手結山の店に立ち寄って餅を食べていたら、あまりにもうまいので、ゆっくりしすぎて、追っ手につかまった、というのである。こんな昔話は、今は安芸市に生まれた五藤さんだけが知っていたが、たまたま高知県への天体望遠鏡寄付の話が持ち上がって、私に伝わったのである。
手結山にはその後トンネルが出来て、高速道が走り、山越えの車が少なくなって、峠の名所(餅屋)も消えてしまったが、名物のお餅は今も高知市内の有名なマーケットで売られている。どこで作っているのか、やはり良いものは残るのである。芸西天文台に通う時には、よくお弁当に買っていったものだ。そして馬力が出て観測に励むことが出来た。
室戸岬から足摺岬に通ずる海岸線には今も戦時中の遺跡が残っている。はるか南の太平洋を監視する砲台の跡に立つと、広い太平洋は球形に見えた。遠い水平線には、白い汽船が浮かんでいる。ほとんど動いていない様に見える。近いうち足摺岬を尋ねてみよう、と思った。


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安芸市出身の五藤斉三さんによると、大昔、東の室戸方面で強盗事件があって、山賊が逃げる途中で手結山の店に立ち寄って餅を食べていたら、あまりにもうまいので、ゆっくりしすぎて、追っ手につかまった、というのである。こんな昔話は、今は安芸市に生まれた五藤さんだけが知っていたが、たまたま高知県への天体望遠鏡寄付の話が持ち上がって、私に伝わったのである。
手結山にはその後トンネルが出来て、高速道が走り、山越えの車が少なくなって、峠の名所(餅屋)も消えてしまったが、名物のお餅は今も高知市内の有名なマーケットで売られている。どこで作っているのか、やはり良いものは残るのである。芸西天文台に通う時には、よくお弁当に買っていったものだ。そして馬力が出て観測に励むことが出来た。
室戸岬から足摺岬に通ずる海岸線には今も戦時中の遺跡が残っている。はるか南の太平洋を監視する砲台の跡に立つと、広い太平洋は球形に見えた。遠い水平線には、白い汽船が浮かんでいる。ほとんど動いていない様に見える。近いうち足摺岬を尋ねてみよう、と思った。


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