珍しいメダルです。1990年ごろ日本天文学会から、国内の天文家数人に贈られました。神田茂氏は大正年代から、昭和にかけて、東京天文台に努めた方で、その配下に広瀬秀雄博士がおられました。共に彗星や小惑星の軌道研究に従事されましたが、終戦後、神田氏は「日本天文研究会」を設立し、一方広瀬氏は東京天文台長を努められました。
 
 神田氏は熱海の華やかな温泉街の近くに住んでいましたが、そのころは星空もきれいで、自宅でシュタインハイルの3インチ屈折赤道儀で盛んに彗星の位置観測を行いました。東京天文台から、転電されてくる外国の新彗星を、かたっぱしから、氏独特の目測法で位置の精密観測をして、軌道計算し、多くの会員に「はがき回報」で知らせました。朦朧とした彗星を観測するためには、独特の訓練された”眼”が必要で、神田氏は他の方にはない様な、訓練された”眼”を持っておられたようです。

 一方、軌道計算も有名で、かって戦時中に本田上等兵が、シンガポールで彗星を発見した時、いち早く、それが「グリグ・シエレルップ彗星」の回帰であることを見破りました。また神田茂氏の軌道研究によって、見失われていた周期彗星が、外国で発見されたこともります。メダルのデザインは、日本古来の天文学を象徴したもので、神田茂賞としては、これにふさわしいデザインです。


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